第14話小説家に楽してなろー
「敗者復活戦第二問。『勝者五十人に聞きました』。実は先ほどバスに乗り次の『機内ペーパー』へ向かった勝者五十人の方に聞いて参りました。勝者の皆さんは心優しい皆さんです。敗者の皆さんへ『心温まるメッセージ』を送ってくださいました。もっとも多かったメッセージは、1『ざまああああ!』、2『またこいよ』、3『とっとと死ね』。さあ何番?」
テーン!
「1113番が早かった!では解答どうぞ」
「1の『ざまああああ!』」
ブブ―――――――――。
「残念。『ざまああああ!』じゃないんです。実は正解は、『心温まる』って言ったじゃないですか。正解は3の『とっとと死ね』なんです。本当に残念でございました」
「(いや…『ざまああああ!』の方がまだ心温まるでしょう…)」
「(『とっとと死ね』って…。あいつら…殺してえ…)」
「(どこが心温まる…)」
「ここでまた。あーあ。火遊びはよくないって親によく言われたもんです。仕事で火遊びをすることになるとは思わなかったよ。私は本当にやりたくないんですよ。こんなこと」
そう言いながら七輪で二枚目の航空券を燃やしてしまうとくさん。
「(ああああああああああ…。あと一枚…)」
「いよいよ最後の一枚となってしまいました。泣いても笑っても残るところあと一枚です。これに答えられなかった場合、残念ながらどなたも復活は出来ません。ここでリタイア決定となります。皆さんの今の心境を『歌』にするときっとこんな心境だと思います。それではちょっとカラオケスタートしてください。すたっふうー!すたっふうー!」
そして流れるメロディーに合わせて『傷だらけの人生』を歌い始めるとくさん。自分で歌いだしのナレーションまで演出しております。
「ふるいやつだとお思いでしょうが、ふるいやつほど新しいものを欲しがるもんでございます。今のラノベのどこに新しいものがございましょうか。右を見ても、左を見ても、ランキングを見ても、似たようなレベルどころか同じものばかりじゃあございやせんか。何からあ何まあでパクリばかりよ。筋の通らぬ運営ばかり。というのは…つるたこうじさんでおなじみの大ヒット曲、そのタイトルは…」
テローン!
「あれ?問題は途中だよ。372番の女性のあなた」
「嘘―ん!!!!」
「しかも年がバレますよ。まあ、とにかく答えてみましょう。正解かもしれませんよ」
「傷だらけの人生?」
ブブ―――――――。
「保母さん残念でしたね。ちょっと早とちりしましたね。まあ、この歌のタイトルは『傷だらけの人生』でありますが、今私は筋の通らぬ運営ばかりというところまで歌いました。その後の歌詞で『ランキングには何と何が絡み合っている』と歌っているか?」
テローン!
「はい!52番のあなた!」
「『コネ』と『やらせ』」
「正解!おめでとうございます!東野さん敗者復活です!こちらにどうぞ!登場券持って行ってください!よかった!」
「え?搭乗券じゃなく『登場』券?」
最後の最後で滑り込み敗者復活となった女性転生者東野さんの疑問にも触れず祝福する『敗者の味方』とくさん。
「それじゃあ東野さん!妹さんに何か一言!敗者決定の妹さんに!妹さんに」
「行ってきまーす♡」
「妹さんからも一言!」
「もう帰ってくんな!次で死んじまえ!」
「いやー。殺伐としてますねえ。あ!東野さん!登場券落としてますよ。落としちゃあだめですよ!じゃあとりあえず。ちゃんと拾って。みんな拍手!」
パチパチパチパチ…。
「よかった!よかった!もうね。出なかったらどうしょうかと思ったんですがね」
そしてここで『異世界横断ウルトラクイズ』恒例、敗者のお見送りです。飛行機ではなく、大きなドラゴンに取り付けられた部屋に乗った勝者五十人ぷらす東野さんを乗せたドラゴンを見送りながらとくさんの掛け声です。
「しゅぷれきこーーーーーーーる!」
「おおおおおおお!」
「今、ドラゴンは『小説家に楽してなろー』に向かったぞ!」
「『楽してなろー』に向かったぞ!」
「『楽してなろー』に向かったぞ!」
「『楽してなろー』に向かったぞ!」
「俺たちの青春を返せ!」
「俺たちの青春を返せ!」
「俺たちのチート能力を返せ!」
「俺たちのチート能力を返せ!」
「妹とイチャイチャする未来を返せ!」
「妹とイチャイチャする未来を返せ!」
「返せ!」
「返せ!」
「にほんてれびはもう見ないぞ!」
「にほんてれびはもう見ないぞ!」
「ねはんでまってろ!」
「ねはんでまってろ!」
「(ああ…、終わった…あのドラゴン落ちねえかなあ…)」
そんなわけでドラゴンが乗せた勝者五十名と敗者復活の東野さんは次のチェックポイント『小説家に楽してなろー』に向かうのである!
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