第9話ジャストニーーーーーート!
「それではルールを説明しよう!単純だ!今この場に残った転生者の数は二千八百十五人!それを五十で割ると…、えーと。松戸のかとう君!電卓はあるかああああああああああああ!」
「あ、あります」
「元気がないぞ!もう一度だ!それでは松戸に購入した一軒家のローンは払えないぞ!松戸のかとう君!電卓はあるかあああああああああああ!」
「(まじ勘弁してよ…。リアルなら裁判で負けますよ…)はい!あります!えーとですね。(スマホの電卓ピポパ)56・3ですね」
「かばやろー!『・3』ってどうするんだよ!かとう君!おい!かとう!この腐ったみかあああああああん!」
「とめさん。とめさん。番組が違います」
『敗者の味方』であり、『とめさんの先輩』であり、『徳を積む』のとくさんが松戸のかとう君をかばう。
「でも先輩。これじゃあ五十人に絞れませんよ」
「そこを何とかするのが三年後の部長でしょうが」
「いやいや。勘弁してくださいよ」
とくさんととめさんのやり取りをポカーンと見つめる転生者たち。そして松戸のかとう君が。
「すいません。『・3』に五十をかければ十五になります。十五人が『余計』なんです。二千八百人ならちょうど『56』で割り切れますので」
「え?」
「(松戸のかとう君だかなんだか知らんけど余計なこと言うなよ!)」
「(絶対台本だ!これは出来レースだ!)」
めちゃくちゃ不安な気持ちになる転生者たち。そして想像通りとめさんが叫ぶ。
「しょうがない。十五名は『モブ』だ!」
「いやいやいや!十五組だけ五十七人でジャンケンやりますから!」
「ええ!なんなら一組だけ七十一人でジャンケンやりますから!」
さすがに問答無用で『モブ』は嫌である。当然だ。
「そうか。君たちがそこまで言うのなら仕方ない。『ハーレム』でちやほやされたいかあああああああああああ!」
「(とめさんを気持ちよくさせるんだ!)おおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
「よし!それじゃあジャンケンを始める。ただし!これは『異世界横断ウルトラクイズ』!当然『チート』を使えるものはそれを使うのも全然ありだ!相手の行動を操れる能力者。います。相手の考えていることが分かる能力者。います。『ジャンケン小僧寿し』。います。『ヘブンズドヤっ?』。います」
(ざわざわ)
「(『ジャンケン小僧寿し』って…)」
「(『ドヤっ?』…。まあ一時創作だよね…。怒られないよね…)」
「何を使ってもいいぞ!どうせ負けても十名は勝ったことになるからね。無敵のチート能力で勝ってもこの松戸のかとう君が用意したマシーンで敗者になることも普通にある!これぞ『ウルトラ』!そしてここでもう一つ。実は、私の先輩であるとくさん。『ズームイン朝(ちょう)』でも私の先輩司会者であるとくさん」
「あなた、それはやめときましょうよ。それをここで言うならこっちも『まんがじょっきー』で干されたこと暴露しますよ」
声を出さずに手を叩いて爆笑するとめさん。身内ネタは寒いけど面白い。ポカーンとそれを見つめる転生者たち。
「ごめんごめん。そのとくさん。実は『敗者』、つまり『モブ』になった元転生者のチート能力を保管しておき、意図的に決めた人へその能力を与えることが出来るのである!」
「え?」
「マジっすか!?」
「本当だ!何の意味もなくとくさんは敗者に油性マジックペンで落書きされてるわけではないのだ!」
「すげええええええ!!」
「それじゃあ始めるぞ!『異世界横断ウルトラクイズ』のジャンケン!ジャスト『ニ』――――――――――――――――――――――――――――トッ!」
「え?」
「(『ジャストミート』は…確か…)」
「(聞こえた。確かに『ニート』と…)」
そんなこんなでわちゃわちゃしつつ、え?もう一万五千文字?サクサクいかないとダメですねー。ようやく『異世界横断ウルトラクイズ』のジャンケンが始まる。
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