第5話ダークとめさん

「よっしゃあ!とりあえず第一問突破だ!」


「一万ちょいから三千人弱やろ?いえーい!」


「確か、百名まで減らされるんやろ?」


「(俺のチートがあれば。ふふふ…)」


「(モブはいやあああああ!)」


 そんな感じで第一問の突破を喜びつつも次に備える生き残った転生者たち。とめさんが満面の笑みで、あの素敵な声で叫ぶ。


「三塁側のみんなあ!おめでとおおおおおおおおお!『ハーレム』でちやほやされたいかああああああああああああ!!」


「おおおおおおおおおおおおおおおおおお!」


「それでは第一問を突破した二千八百十五名!改めておめでとおおおおおおお!でも『異世界横断ウルトラクイズ』はまだまだ始まったばかり!次は恒例の『ジャンケン』だあああああああああああ!!」


「(え?恒例?)」


「(百名まで減らすんじゃないの?)」


「(まあ、とりあえずラッキー!次は『ジャンケン』?俺は相手の行動を操れる『アヤツリ―ドール(あやつり人形の『あやつり』の部分の英語が分からなかったみたいですね。自分で名付けときながら)』のチート能力を身に着けてるんだぜ!)」


 とくさんに慰められている『モブ』になった一塁側の人たちを横目に三塁側の勝者がバスに乗り込み次の会場に移動です。勝者に対し、『敗者の味方』のとくさんが一塁側からマイクで叫んでいる!


「どうせ勝ち残るのは一人だけだ!」


「そうだ!!」


「今の喜びは一時的なものだ!」


「そうだ!!」


「一時的なものだ!」


「そうだ!!」


「お前らは世間で何と言われているか知っているのか!」


「(あれ?なんやったっけ?確か…)知っているか!」


「悪徳勝者マンと呼ばれているのだ!!」


「…ハ、ハ、ハハハハハ…」


「お前らの顔なんか見たくもない!異世界から出ていけ!」


「出ていけ!」


「異世界から出ていけ!」


「出ていけ!」


「チートを使うな!」


「チートを使うな!」


「以上!」


 さすがですね。『敗者の味方』とくさん。そんなとくさんと一塁側の敗者を眺めながら満面の笑みを浮かべているとめさん。さあ!次は『ジャンケン』です!


「このバス、どこに向かってるのかなあ」


「空港だろ?」


「確か、空港でジャンケンして半分ぐらいが落とされるんだよね」


 二千八百十五人を乗せた数十台のバスが目的地で止まりまーす!バスを降りて異変に気付いた転生者が結構いますねえ。


「あれ?空港じゃねえじゃん!」


「船じゃん!」


「しかも豪華客船っぽくねえ?」


 ま、まさか…。


「え!?豪華客船でジャンケンって…」


 そこでとめさんのキャラが百八十度、五百四十度、九百度変わります。


「…」


「え?なになに?とめさん、よく聞こえませんが…」


「…」


「とめさーん!ちょっともう少し大きな声でお願いしますー!」


「…っくゆー」


「え?」


「阿っ久悠ぅー!ぶち殺すぞ!ゴミめら!」


「えええええええええええええええええええええええ!!」


 と、とめさんが…。次回!『異世界ジャンケンインえすぽわーれ号!』

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