第2話敗者は全員残らずアレだああああ!!
~『異世界コロシアム』グラウンド内~
(ざわざわ)
「あのお…。あなたはどうやってこの世界へ来られたんですか?」
「あ、トラックに轢かれそうな子供を助けようとしてはねられまして」
「あなたもですか!?」
「え?おたくも!?」
「私はブラック企業であれでして」
「自分はニートでしたね」
「あ、僕もです」
『異世界コロシアム』に集まった一万と五十一名が近くの者たちとわいわい雑談で盛り上がっている。そんな一万と五十一名がすっぽりと収まる広―い『異世界コロシアム』のところどころで大きな歓声があがる。
「え!?あなた『チート』をすでに身に着けてらっしゃるんですか!?」
「いやあー、実はすでに見た目通り『ドラゴン』になってまして。いろいろ使えますよ。ファイヤー吐きましょうか?」
「なんか『魔法』が使えるようになってまして」
「僕なんか目が覚めたら『ゴブリン』ですよー。でもなんかすごい『怪力』になってまして」
「へえー!すごいっすねえ!(いや、クイズに必要ないやん)」
そんな中、ものすごい能力を身に着けたものが何人か。
「僕、なんか『時間』が戻せるみたいです」
「うおおおおおおおお(この人についていけば途中まではいけるぞーーーー!!)!!!」
「私は『未来』が見える能力ですね」
「うおおおおおおおおお(この人についていけば途中までいけるぞーーーーー!!)!!!」
しかしここは『異世界横断ウルトラクイズ』の世界。そんな一筋縄ではいかない。ざわざわしている一万と五十一名に向かってとめさんがマイクで問いかける。
「記念すべきこの第一回『異世界横断ウルトラクイズ』に参加してくれた諸君!その数なんと歴代最多の一万と五十一名!!」
「(第一回で歴代最多って…)」
「(参加してくれた諸君って…)」
「ちょっとここで若い世代がついてこれていないので少しだけ説明しよう!」
「(………だよなあ)」
「かつて君たちがいた世界では『世界横断ウルトラクイズ』という国民的クイズ番組が毎年開催されていた!すごかったよー。スマホどころかネットもなかったからね。第一問なんか参加者は知り合いの物知りに公衆電話から電話して答えを聞いたりしてね。『カンニングオッケー』が謳い文句だったんですよ。それがもうねえ。何でもかんでもネットですよー。そんなん全員正解するっちゅーの!まったくもう!自分で調べろ!暗記しろ!クイズ王はすごいんだぞ!すいません。横道に逸れました。この『異世界横断ウルトラクイズ』の優勝賞品は『望むもの何でも与えます』だ!お前らああああ!『ハーレム』でちやほやされたいんだろおおおお!!『チート』で俺つえええがやりたいんだろお!!!『ざまあ』であっはっはーとスッキリしたいんだろお!!!なんでもあげちゃうよおおおおお!その代わり!優勝者は一名のみ!一万と五十一名から。残りの一万と五十名は敗者。敗者は全員残らず『モブ』だああああああああああああああああ!!!」
「うそおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおん!!!」
と、まあこんな感じで、こんなルールで第一回『異世界横断ウルトラクイズ』の幕が切って落とされる(三回目)!!!
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