第2話 夏
祭りのない夏が終わる・今は
あの時聴いた夏の虫の男の子が
私を魅せに連れて行きたいと
純喫茶で珈琲二つ並べて、渋い顔並べて
苦かったくせに美味しいと言って
「私が全部うそだったらどうしよう」
「俺がお前をしんじるから大丈夫だ」
夏の蝉が死んだ頃
そんな嘘のない男の子が秋に向かって
すくすく今は・もう・祭りのない夏の終わり
大人になっても夏は嫌いで
私は未だに
嘘かもしれない自分が怖い。
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