第3話
「私はお前、矢田瑛斗を今日から150日後に殺すために作られたロボットだ」
彼女に説明を求めると、そう返ってきた。
「…なんで殺すの?」
「…そう、プログラミングされているからだ」
「…名前とかはないの?」
「特にない。好きに呼んでくれて構わない」
「…じゃあ、ナツミって呼んでいい?」
夏美そっくりな彼女を見ていたら、反射的になつみの名前を出してしまった。
「ナツミ?…何故だ?」
「夏美って、俺の元カノなんだけどさ、彼女と君があまりにもそっくりなんだよ」
「…そうか。…じゃあ、お前のことはなんて呼べばいい?」
「瑛斗でいいよ」
「えいと…」
「そう、えいと」
「わかった」
ナツミはなんとも言えない表情で頷いた。
「…そういえばさ、ナツミ俺を殺すまでの間、ここで暮らすんだよな?」
「…そうだな。私には帰る家がない」
「ふーん。…ナツミはごはんとか食べんの?」
「特に必要はない。1か月に一度のペースでバッテリーが切れるからその時は家庭用コンセントから充電する」
「そうか…でもまぁ、いつまでもそんな適当な服着てるわけにもいかないし、今日はナツミに必要なものでも買いに行こうか」
ナツミは上下ぼろぼろのスウェットを着ている。
「わかった」
「じゃあ、俺今から支度するからそこで待ってて」
俺が目の前にあったベッドを指さすとナツミは大人しくそこに腰掛けた。
「急いで用意するから」
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