第22話 配信パート会話とコメント多め 修正しました

 今日は新奈さんと、そして視聴者さんと約束した日曜日。

 俺はツイートをして、待機所を作り配信の準備をしていた。

 既に待機所には沢山のコメントが流れている。


 :ついにこの時が…どれだけ待った事か…

 :待機

 :待ち

 :町

 :タウン

 :↑草


 ちなみに響は今日、Vスタの事務所に行っている。

 新人オーディションの打ち合わせらしい。

 恐らく俺も新人の方と関わる事になるだろうから、どんな人がやって来るのか楽しみだ。


 ちなみに1人での配信は初めてだが、思ったより緊張はしていない。

 むしろ皆がどんなコメントをしてくれるかワクワクしていた。


「よし、始めるか!」


 俺は配信を開始する。


「あーあーあー、聞こえてますか?」



 :きちゃー

 :キタキタ!

 :聞こえてるー!!

 :初っ端から声が良すぎて死ぬ

 :美しいお姿だ…


 聞こえているっぽい。

 とりあえず一安心。


「え〜と、皆さん初めまして、フィルと申します」


 :あれ?あんまし緊張してないね

 :耳が溶ける…

 :初め…まして?

 :まさかフィル、お前記憶が…


「記憶がって…一応初配信だから、初めましてって言ったんだけど、ダメだった?」


 :あ、そうか初配信(笑)か

 :やけに視聴者の多い新人だなー(棒)

ミエル:滑り込みで参上!

 :ミエルもよう見とる


「あ、ミエルさん先日はありがとうございました」


 ミエル:またコラボしようね〜

 :絶対にコラボはさせん!危険だ!

 :リスナーの皆!阻止するぞ!!

 :女狐なんかにうちらのフィルはあげないからね!


 なんかミエルさん、危険人物扱いされてない?


「え〜と、今日は配信タグとリスナーの呼び方、そして軽く歌って終わろうと思うんだけどいいかな?」


響に何すればいいか聞いたら『ん〜、まぁ歌でも歌っとけば?』って言ってたしね。


 :初配信(笑)で歌うんか!?

 :初歌枠!!

 :いいと思ふ

 :リスナーの事は彼女さん彼氏さんでいいと思います!

 :↑賛成!


「いやいやいや、彼女さん彼氏さんはおかしくない?!」


 :草

 :俺は賛成

 :私がフィル君の彼女かぁいいね!

 :まぁ、最近は同性愛も増えてるしな!いいと思うぞ!


 コメント欄には、賛成の声が多く挙がっている。


「ちょ、一旦待って、さすがに考え直そ?

 その呼び方だと一生リスナーさんの事呼ばないよ?」


 :それは困る

 :グッ…ここまでかッ

 :しょうがない…考え直してやるか

 :旦那さんとお嫁さんは?

 :↑いいねぇ!

 :草

 :草


「旦那さんとお嫁さんはグレードアップしてるじゃん!

 ダメだって!」


 :えー、それじゃあ何ならいいの?

 :他に呼び方無くない?

 :もう何も思いつかん


「なっ、なんでよ!おかしいでしょ!ほ、ほら、俺一応エルフだからそれに関することがいいな〜」


:一応ww

 :う〜ん…きのこの山とたけのこの里は?

 :↑お?戦争か?

 :私きのこ派〜

 ミエル:きのこー、フォルムがいいよね

 :おいミエル草

 :たけのこだろ

 :どっちも派

 :↑裏切り者に死を


「きのこたけのこ戦争始まっちゃったよ…

 ほら、真剣に考えよ」


 :精霊

 :森の民

 :大樹

 :家族

:同胞

 :我が子

 :ご主人様

 :下僕


 沢山の案がコメント欄に出される。


「ご主人様と下僕はダメでしょ!どんどんおかしくなって来てるよ?!」


 :草

 :草

 :ww

 :で、どれにする?


「俺的にいいなって思ったのは精霊、森の民、家族、同胞かな」


 :全部いい

 :え?下僕は?

 :ご主人様は?

 :草

 :同胞いいな

 :森の民いいと思う

 :個人的には同胞が好きだな

 :精霊になりたい!


 皆それぞれいいと思う名前をコメントする。

 下僕と、ご主人様は絶対に無しね。

見た感じ同胞が半分以上を占めていた。


「見た感じ同胞がいいって人が多いね」


 :我が同胞達よって呼んでね

 :一体感があるよね

 :お、これは決定か?

 :賛成!!


「満場一致かな?それじゃあリスナーの呼び方は同胞で決定!」


 俺は空きスペースに『リスナーの呼び方:同胞』と入力する。


「それじゃあ次は配信タグをパパっと決めようか」


 :同胞との記憶、もしくは同胞達の思い出

 :フィルと同胞

 :杏仁豆腐

 :エルフと下僕

 :エルフのご主人様


「う〜んと杏仁豆腐とエルフと下僕、エルフのご主人様は無しとして…」


 :なぜ!?

 :草

 :草

 :エルフのホームビデオとかどう?


「エルフのホームビデオ!いいね!これで決定でいいかな?」


 俺は皆にこれでいいか聞く。


 :いいねぇ

 :下僕は?

 :ご主人様は?

 :↑さっきも見たような…

 :草

 :OKで〜す


「よし!決まり!それじゃあ俺の配信のツイートする時は、このタグを付けてね!」


 :はーい

 :早速ツイートしてきました!

 :ツイート1番目取りたかった…負けた…

 :ワクワク


 早速ツイートをしてくれている人がちらほら居るようだ。


「じゃあ最後はちょっと歌って終わりかな」


 :待ってました!!

 :来たぁぁぁぁ!

 :さぁフィルの歌声は如何に

 :なんかフィル君の声って眠くなるね睡眠ボイス属性?


「最初に言っておくけど、歌うのは好きだけどそこまで上手いってわけじゃないからね?」


 :保険かけたな

 :チキったか

 :なるほど、要するに絶大な期待をしていいって事か

 :草


 絶大な期待って…どうしてそうなった…


「歌う曲は俺が決めていいんだよね」


 :モチのロン

 :なんでもいいよ〜

 :おまかせで

 :ドキがむねむねする


「それじゃあ先ずはこの曲で」


 :ま、まさかこの前奏は

 :ブ、ブリキ〇ダンス!?

 :さぁこのハイテンポな曲を上手く歌えるのでしょうか!


 俺は大きく息を吸い、歌い出す。


「〜〜♪」


 :一気に目が覚めたなんじゃこれ

 :凄い!凄いぞ!

 :めっちゃ高い声出るじゃん!

 :さぁ高難易度のサビだぞ!


 コメント欄には俺を褒めるコメントが沢山寄せられる。


 俺はコメントを読みながらも、難なくサビを乗り越え、歌い終える。


「いや〜、人に歌を聞いてもらうのは初めてだからなんか緊張した〜」


 :唖然

 :…( ゚д゚)

 :唖然

 :唖然

 :唖然


 コメント欄は、唖然という文字で埋め尽くされていた。

これがフィルの配信で、度々使われるようになる唖然の誕生だ。


「え、なにこれバグった?」


 :ハッ!

 :なんかフィルの歌めっちゃ上手かったような…夢か!

 :天は二物どころか三物与えたのか

 :俺っていったい…


「何かリクエストとかある?何でもいいよ」


 :う〜ん…思いつかん

 :リクエストか〜

 :歌って欲しい曲あるのに名前が思い出せん


「あんまり無さそうだね。じゃあ気分で決めちゃうね」


 :WAKWAK

 :次は何を歌うんだ?

 :フィル君声が良いから何歌っても合いそう


「じゃあこれにしようかな」


俺は偶々頭に浮かんでいた曲を選曲する。


「それじゃあ歌うよ」


 俺は音源を流し、歌い出す。


「〜〜♪〜♪」


 :怪〇の唄か!

 :久々に聞いたけどやっぱいいね!

 :この系統の曲大好きだわ


 有名な歌なので、殆どの人が知っているようだ。

 俺は楽しみながら歌いきる。


「はぁ、やっぱサビで盛り上がる歌は歌うのが楽しいね」


 :唖然

 キョウ:唖然

 :唖然

:唖然

 ミエル:唖然


「あれ?キョウじゃん」


 コメント欄に、事務所へ打ち合わせに行っている響が現れた。


 キョウ:よ!初配信おめ!


「ありがと」


 キョウ:それにしても人居すぎじゃね?!


 現在、俺の配信の同接数が7.4万人となっていた。


「え、本当じゃん」


 キョウ:気づいてなかったのかよ…あっという間に色々と抜かされそうだな


「無理無理、これが初配信だから多いだけだよ」


キョウ:初配信(仮)だろw


 :フィルキョウてぇてぇ

 :てぇてぇ

 ミエル:てぇてぇ


 コメント欄がてぇてぇで埋め尽くされる。


「てぇてぇやめぃ!」


 :はい

 :てぇて…はい

 :そこはもっとキツめにに辞めろ!って言わなきゃ!じゃないと私が興奮しない!

 :変態おる


 さっき下僕下僕言っていた人が変態な事を言っている。

 凄い執着心だな。いっその事この人だけ下僕って呼んであげようかな。


「それじゃあ今日はここまでかな!」


 :えー

 :お疲れ様でした!

 :もう終わり?

 :面白かった!!


 良かった、好評みたいだ。


「それじゃあ同胞の皆、チャンネル登録とかその他諸々よろしく!

 あ、挨拶決めてなかったな…まぁ、また今度でいっか、それじゃあさよなら〜」


 :草

 :さいならー

 :次も楽しみにしてる!

 :配信高頻度でしてくれ!頼む!乙!

 :ばいちゃ


 こうして配信を終えた。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

読んで下さりありがとうございます!


気に入らなかったので真冬とのデートは一旦非公開にしました。

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