第21話  ※修正しました

「でもそうするとフィル君の初配信は1万人記念配信ってことかな〜?」


 あ、確かに…そうなるのか…


「じゃあ早く初配信しちゃわなきゃね〜このペースだとすぐ2万人行っちゃうよ〜?」


「それは…マズイですね」



 :皆!フィル君の情報を拡散するんだ!!

 :絶対2万人にするぞ〜!

 :フィルに1万人記念としてプラス1万人をプレゼントするぞ!

 :今北どういう状況?

 :こういう状況

 :わからんてw


 コメント欄が何故か盛り上がり始めた。

 この盛り上がり様だと、本当にすぐ2万人に行ってしまいそうだ。


「う〜ん、じゃあ今週の日曜日に初配信しようかな」


「やったね〜!皆〜、日曜日だってよ〜時間はどうするの〜?」


「時間は後々決めていくよ」



 :ウォォォォォ!

 :ついにこの時が!

 :投げ銭を…投げ銭をさせてくれ!

 :緊急ミッションだ!日曜日までに2万人にするんだ!

 :やってやるぜ!



「投げ銭は是非とも私のチャンネルに〜」



 :何を言ってるんだい?

 :ん?聞き間違いかな?

 :あげませーん

 :100 ミエル可哀想代(笑)

 :良かったな、100円だぞ

 :草


「フィルく〜ん皆がいじめてくるよ〜」


 そう言ってミエルさんが俺に抱きついてくる。


「え?え?ミエルさん?」


 これは燃えるやつでは?


「ふっふっふ、君たちは私のすぐ隣にフィル君が居ることを忘れているのか?

 今の私はフィル君に、あんな事やこんな事ができるんだぞ〜?」


 :くっ、卑怯な…

 :やめろ!フィルには手を出すな!

 :いくらが望みだ!?

 :フィル君を返して!


 どうやらミエルさんが、抱きついてきていることに、視聴者は気づいてないようだ。


「例えばこんな事ができるのだよ」


 そう言ってミエルさんは、あぐらをかいていた俺の足の上に頭を乗せる。


「え?ちょミエルさん!?」


「あ〜、最高だな〜フィル君の膝枕。

 いい匂いするし、筋肉質ながら心地よい柔らかさ、眠くなってきちゃうよ〜」


 :な?!

 :おい!やめろ!

 :ちょ、俺も

 :私も!!

 :ずるいぞ!貴様!

 :10000 1万あげるから膝枕変わって?


「1万円ありがとう〜しょうがないな〜、じゃあフィル君、膝枕ボイスお願いね〜」


 絶対言うと思った。

しかもこれやらなきゃ退いてくれないやつだ。

 なんかミエルさんの性格が、だんだんわかってきた気がする。


「はぁ、いいですよ」


「え!?いいの?」


 え?冗談で言っただけだった?


「え?やらなくても良いんですか?」


「いや、やらなきゃダメ」


「わかりました」



 :いやったァァァァ


 :今気づいたけどミエル素の喋り方が出てるね


 :フィル言いなりだな


 :↑言いなり?…(・∀・)!グヘヘヘ


 :↑なにを思いついた?


「ちなみに膝枕をしたままですか?」


 かなり足が痺れてきた。

 足が極限まで痺れると、足に力が入んなくて膝から崩れ落ちるよね。


「もちのろん」


「ですよねー」


わかってた。てか足がそろそろ限界なので動かないで貰えませんかねぇ。


「つんっ」


「い゛!」


 すると突然ミエルさんが足をつついてきた。


「何するんですか?!」


「気にしない気にしない」


 気にしないって…無理でしょうよ。

絶対これミエルさんが退いてもしばらく立てなさそうだ。


「それじゃあフィル君の膝枕ボイスまで〜さん、に、いち、きゅ〜」


「えぇ…」


…はぁ、やるしかないか。

 実は俺には、ずば抜けて得意な特技が1つある。今こそその真価を発揮する時だ。


「フィル君?」


 俺が何も話さずに黙っているから、ミエルさんが話しかけてきた。


 俺は小さく息を吸い、言葉を発する。


「どうした?脚の上に頭乗せて。頭でも撫でて欲しいの?」


 俺は優しい声色でそう言い、ミエルさんの頭をゆっくりと撫でる。


「へ?」


 ミエルさんは困惑しているが、俺は止まらない。


「髪、サラサラで綺麗だね」


 俺がそう言うと、段々と困惑していたミエルさんの顔が、紅く染っていく。


 でも俺は頭を撫でるのをやめない。


「このまま寝ちゃってもいいよ?後の事は全部やっとくから」


「え、あ、うん」


 ミエルさんは、何故か口を抑えながらそう言う。


「うん、それじゃあ、おやすみ」


 俺は大きく息を吐く。


「はい!終わり!」


 俺は手を叩いてそう言う。

 俺の特技は、皮を被る事だ。いや、どちらかと言うと観察眼かもしれない。


 相手と少し話したり、接したりするだけで相手がどの様な人と相性がいいのか、どの様な対応を望んでいるのかが分かってしまう。


 今は滅多に使っていないが、この特技は母さんがまだ生きていた頃は常に使っていた。

 まぁ、その話はまた今度でいいだろう。



 :やばい、これはやばい(語彙力)

 :耳が孕んだ

 :フィル君と付き合ったらダメ人間にされそう

 :死者がでるぞ

 :ミエル息してるかー?

 :生存確認!いち!

 :隊長!3〜31246まで全滅です!



「やっばい!これはやばい!」


 ずっと固まっていたミエルさんがそう叫び、俺のあぐらの隙間に頭を埋める。


 ◆

《新奈視点》


 やばいやばいやばい!あれはやばい!


 頭撫でられた!暖かくて気持ちよかったなぁ…

 それに、耳元であんな優しい声出されたら、怜斗君無しじゃ生きれなくなっちゃうよ!


「ミエルさん?大丈夫ですか?」


 ボクが心の中で騒いでいると、怜斗君が声を掛けてくる。


「大丈夫じゃない!今日の配信はこれで終わり!おつダラ!」


「え」


 そう言ってボクは配信を終了する。


 ◆

 とあるツイート


 緑社りょくしゃ 龍樹りゅうき/Ryuki

〖待って?僕の描いた息子カッコよすぎじゃない?雄なのにキュンとしちゃったよ〗


 ↓アーカイブ

 kyoutu.be/GgellgenFl4


 💬 1058 🔄 945 ♥ 2.3万



 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 読んで下さりありがとうございます!


気に入らない所があったので修正させて頂きました。


 近況ノートを見てくれた方なら分かると思いますが、最近やっとこ落ち着いてきたので少しずつ書きます!たぶん。

でもテストが近いんですよね…死にそう( ´ཫ`)


久々の更新(更新って言っていいのかわからないけど)が修正ですいません。


 アドバイス、誤字脱字などがありましたら教えてください!


 

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