第9話

朝起きて、スマホを見ると鈴からメールが来ていた。


朝早くからどうしたんだ?と思いメールを確認する。


するとそこには


《先輩!デートしません?返信待ってます!》


oh…まさかのデートのお誘いだった。


でも多分鈴の俺に対するイタズラだろう。


《いいぞ、いつにする?》


俺がそう返信するとすぐに返事が帰ってきた。


《10時からはどうですか?あと、これはイタズラじゃなくて本当のデートですからね!》


《まじで?》


《はい》


俺の思考が止まった。


これ、まじのやつだ…

俺は家の中を走り、響をたたき起こしに行った。


「響!おい!起きろ!」


「んぁぁ?なんだぁ?、怜斗」


響は眠そうにしながら返事をした。


「響!助けてくれ!俺はどうすればいい!」


「ちょっ、一旦落ち着け、どうした?」


響はただことじゃないことを感じ取り体を起こした。


「鈴に、デートに誘われた…」


「なんだ、そんなことか」


「そんなことってなんだよ!お前は慣れてるかもしれないけど、俺は初めてなんだよ!

女の子が喜ぶ事とか、気をつけた方がいい事を教えてくれ!頼む!」


「報酬は?」


「は?」


「だから報酬は?」


こいつ!ここぞとばかりに!


「1週間お前の好きな料理でどうだ?」


「乗った!」


そう言って響は跳ね起きる。


やっぱこいつ運動神経いいな、寝起きでそんな動きが出来るのかよ。


「お前着ていく服はあるのか?」


「あぁ、服は前に鈴と買いに行ったのを着ていく予定だが」


「なら髪、整えてやるから洗面所行くぞ。お前、俺よりもかっこいい顔してんのに顔隠したままで行くなよ。」


そう言われて俺は嫌なことを思い出す。


「何言ってんだ、俺の顔がかっこいいわけないじゃねぇか。母親にすら醜いって言われた顔だぞ?」


「はっ、あんな女の言うことなんて気にすんな、ほら!髪整えてやるからこっち来いよ!」


俺は顔を暗くしながら響に髪を整えてもらう。


「これからデートなんだろ?そんな暗い顔してたら鈴ちゃんに失礼だぞ、」


「あぁ、そうだな。」


おかしいなぁ、あんな昔の事なんて割り切った気がしてたんだけどなぁ。


三分程で響は髪を整え終えた。


「お前の顔しっかり見たの久しぶりだなぁ。お前、髪切っちゃえばいいのに」


俺も久々に見た。


「俺も自分の顔見たの久しぶりだわ。あの時からなんも変わってないなぁ」


「そんな、人の顔が変わるなんて整形する以外変わるわけないだろ。」


まぁ、そうか。いっその事整形でもしてみるか?


「てかお前時間大丈夫なのか?」


響にそう言われ時計を見る。

時計の針は9時を指していた。


「デートの待ち合わせは30分前が基本だぞ。」


「なるほどな、わかった。30分前には行くとしよう。」


「そうしろ、じゃあ楽しんでこいよ!」


そう言って響は部屋に戻って行く。


「また寝んのか?」


「あぁ、まだ、ちと寝たんなくてな」


「悪いな、起こしちまって」


「いいってことよ」


よし、響の言う通り、気持ちを切り替えて楽しむか!


[鈴視点]


私は今、とてもテンションが上がっていた。


何故かと言うと


「先輩とデート!先輩とデート!」


そう、先輩とデートをすることになったの!


私は先輩に可愛いって言って貰えるように、朝早くから張り切って準備をした。


まず朝早くに起きて先輩をデートに誘って、、返事が来た時はもう心臓バックバクだった。


その後どこに行こうかとか、どんな服着てこうか〜とか。


そんなことをしていたらすぐに約束の時間の30分前になっていた。


「そろそろ、行かなきゃ!」


私は約束の30分前に、家を出た。


私が待ち合わせ場所に着くともう既に先輩がいた………しかも昔の姿で


「えっ、セン、パイ?」


私は思わず泣きそうになった。


先輩は昔、お母さんが亡くなってからどんどん気力を失っていった。

何でかは知らないけど多分お母さんが亡くなったショックだと思う。


それから私と響さんと春華ちゃんの3人で先輩を励まし続けた。


その成果があってか、先輩も元の先輩に戻っていった。


けどその時から何故か先輩は顔を隠し、あまり周りの人と話さなくなっていった。


それからずっと顔を隠していた先輩が顔を出している。


私が泣きそうになっていると2人の女性が先輩に近寄って行くのが見えた。



[怜斗視点]


俺が鈴を待っていると2人組の女性に話しかけられた。


「ねぇねぇ、そこのイケてるお兄さん」


「え?俺?」


「そうそう、お姉さん達と遊ばないかしらぁ」


もしかしてこれが逆ナンってやつか?

初めてされたな。まぁ、もちろん断るけどね。


「すいません、人を待っているので」


「そんなこと言わずにさぁ」


それから何度も断ってもなかなか諦めてくれない。


そこに聞き覚えのある声が聞こえてくる。


「れーいと!お待たせ!待った?」


「鈴か?てかなんで名前呼びなんだ?」


俺がそう言うと鈴が顔を耳元に近ずけてこう言った。


「今は私に合わせてください。」


「あ、あぁ、了解だ」


そう言って鈴は2人組の女性に向き合う。


「私の彼氏になにか用ですか?」


鈴がそう言うと


「え?彼女、、さん?」


「えぇ、そうですよ!ねぇ怜斗」


「あ、あぁそうだぞ」


「あっ、待ってるのって彼女さんだったんだ。ごめんねぇ邪魔しちゃって」


そう言い残して2人組の女性はどっかに行ってしまった。


「すまん、助かった」


「いえいえ、どういたしまして。それで何か言うことない?」


そう言って鈴はその場でクルッと回った。


え?言うこと?なんだ?そういえば響が

女の子とデートする時はまず褒めるといいって言ってた気が…


「あ、え〜と、その、服よく似合ってるな。」


そう言うと鈴の顔に花が咲く


「ありがとうございます!先輩もその服、似合ってますよ!」


「まぁ、鈴が選んでくれたものなんだから当たり前だろ。」


「そこは素直に『ありがとう』ですよ!それと髪上げてる方が先輩はかっこいいですよ!」


おぉう、なんか照れるな///


「あぁ、ありがとうな。」


俺はそう言って顔を背ける。


「なになに?照れてるんですか?先輩」


「う、うるせぇやい」


「あはは!からかっただけですよ。それじゃあ行きましょうか!」


「あぁ行こうか」


こうして俺らのデートが始まった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜

読んでいただきありがとうございます!


次も鈴とのデート回です。


あと自分も学生なのでテストと言う物があるわけですよ!いやだぁぁぁぁ!


てなワケでテストが終わるまで2日に1回投稿になってしまいます。

すいません


あと沢山のフォロー、ありがとうございます


アドバイス、誤字脱字などがありましたら教えてください。


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