第6話

俺は今放課後の部活を終え、柊さんと一緒に後片付けをしていた。


後片付けは、当番制になっていて今日は俺の番だ。


「柊さん、これってどこですか?」


「それはあっちですね。それくらい覚えたらどうですか?」


「す、すいません」


やっぱ柊さんの話し方には少し棘があるな。


「ふぅ、次はあっちか」


俺は器具を置いてから次の物を片付けようと振り返った時、柊さんの上に置いてある物が落ちそうになっていた。


「危ない!!」


「きゃぁ!」


俺は柊さんを守るために覆いかぶさった。

上から落ちてきたものが背中にあたり、柊さんとの距離がどんどん近くなっていく。


「いっつ、ひ、柊さん大丈夫ですか?」


「ハァハァ」


「柊さん?うおっ」


柊さんの様子がおかしいと思ったら急に柊さんが抱きついてきた。


「柊さん!?」


「スゥーーーー、はぁ〜もう!こんな匂いを近くで嗅いだら我慢できるわけないじゃないぃ」


そう言って柊さんは俺を下敷きしたじきにしてまたがった。


「柊さん!大丈夫ですか!?」


「スゥー、ハァー」


ダメだ、何も聞こえてない。

朝見た事は現実だった…


俺は失礼を承知で柊さんを引き剥がそうとした。


「柊さん!すいません!」


「何するのぉ!やめてぇ!」


「ちょ、大きな声出さないで下さいよ!」


俺が引き剥がそうとすると大きな声を出して叫ぶので人が来たらまずいと思い飽きるまで待つことにした。


あれから何分経っただろう。ずっと柊さんは俺の胸に顔を押し付けている。


するとさっきまで荒々しかった呼吸が一定のリズムを刻みだした。


「柊さん?もしかして寝てます?」


「すぅ、すぅ」


返ってくるのは穏やかな寝息だった。


「マジかよ…どうしよ」


とりあえず俺は柊さんをマットの上に降ろそうとした。


だが柊さんは俺のジャージを掴んで離さない。


そこで俺は考えた。ジャージを脱げば出れるんじゃね?


俺はすぐに実行した。

柊さんを起こさないようにゆっくり、ゆっくり脱いだ。


「ふぅ〜、何とか出れた」


そう、俺は脱出に成功したのだ。

とりあえず柊さんをマットの上に乗せて、俺は響に〘今日夕飯作れないからどっかで食ってこい〙とだけ連絡しておいた。


それから5分くらい経って柊さんが目を覚ました。


「あっ、起きましたか?」


「んぅ、あれ?なんで怜斗君がいるの?しかも上裸で、そっかぁこれは夢かぁ〜なら何してもいいわよね」


そう言って柊さんは俺に抱きついてきた。

もしかして寝ぼけて夢だと思ってる!?


「怜斗君、見た目の割に筋肉付いてるのね。それにこの匂い…最っ高〜」


「ちょ!柊さんやめてくださいって!」


「柊じゃなくて真冬って呼んでくれなきゃ止めてあげな〜い」


ダメだ。完全に寝ぼけてる。


「ひい、真冬さん!寝ぼけてないで起きてください!これは現実ですよ!」


そう言うと柊さんの動きが止まる。


「現、実?」


「そうです!これは現実、リアルです!」


すると柊さんの顔が真っ赤に染まった。


「へ?嘘!現実!?待って、頭が追いつかない。」


こんな慌ててる柊さん初めて見た。


「と、とりあえずジャージ返して貰えますか?」


「へ?」


柊さんは手元に目をやる。


「あっ、すいません」


「いや、大丈夫です。」


俺らの間に沈黙が走る。


気まずいので俺が話を切り出す。


「とりあえず場所移しませんか?」


「は、はい。そうですね。」


柊さんは真っ赤なままの顔でそう言った。



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読んでいただきありがとうございます!


沢山の方がフォローをしてくれて嬉しいです!


柊さんの話の続きは夜出します!多分…

イチャイチャよりかは柊さんの暴走パートになっちゃいました!(๑•̀؂•̀๑)テヘペロ


アドバイス、誤字脱字などがありましたら教えてください!


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