第19話 女の子に!俺はなる!

ここは街の外にある森。


魔物はほとんどいない安全地帯と言われている。


そこには中身36歳の童貞美少年ワンコがコソコソと何かをしていた。



「よし! ラーニングの実験を開始しよう!」



そう、ラーニングの更なる可能性を探るためトレーニングに励む!



「変身する固有魔法『メタモルフォーゼ』。

俺はこの魔法を使って…」



俺は両手の拳を握りしめて夜空に向かって、高々に両手を上げた。



「女の子になる!!!!!!!!!!!!」



童貞の夢!

女の子になる!!!!!


男の夢!!

女の子になる!!!!!!!!!


VTuberになるなら!!!

女の子になる!!!!!!!!!!!!!



なぜ男は女の子になりたいのか!?


それは性欲に純粋だからだ!!!!



なぜ童貞は女の子になりたいのか!?


それは経験がないからだ!!!!



異論は認めよう!

これは俺の価値観だからだ!


しかし、どんな理由であれ男なら思ったことがあるだろう。


一度は女の子になってみたいと!!!!


女の子になって、あんなことやこんなことをしてみたいと!!!!


この熱く燃えたぎる想い…男ならわかってくれるはずだ。


現実世界では手術やバ美肉で女の子になることができる。


だが!


俺は魔法で女の子なれるから元に戻れるしリスクはない!


おっぱいもシリコンではない!


そして、触れる!!!!



地球の男子諸君ー!!!!


俺は代表して!!!!


その未知の体験を味わってくる!!!!


いくぞ!!!!!!!


新たなる人生の幕開け!!!!



「固有魔法『メタモルフォーゼ』!!」



俺は光に包まれた。


そして、イメージを固める。


おっぱいの形、花園の形、身体の質感…。


ん? 身体の質感!?


おっぱいってどんな感触だ?


マシュマロのようなプリンのような…。


てか…!!!!



触ったことないからわからん!!!!!!!!!



俺は魔法を一旦中止してヒザを折り倒れ込んだ。



「そうだ…俺は…童貞…。

経験がないから触感がわからない…」



くっ!?


漢! ウェル!!!!


万事休すか!?!?!?



「いや、まだだ!!」



俺は地球でいた頃に培った、ありとあらゆるエロ情報を精査した。


まさにスーパーコンピューターのように。


ふっふっふ。


俺のレベルまでいくとスーパーコンピュータ並にエロ情報を処理できるのだ!



さぁ! 来い!


俺の知識の中で最も近い触感を!!!!


………来た!!!!!!!!


いざ!!!!!!!!!!!!!


変!!!!!!!!!!!!!!!!


体!!!!!!!!!!!!!!!!



とう!!!!!!!!!!!!














………しまった………。


触感まではイメージが固まった。


しかし………。


エリスお嬢様、ココさん、ミリアさんのイメージが強すぎて……。


この3人にしかなれない!!!!!!!!


特に裸を見たことがあるエリスお嬢様のイメージが強い!!


この2年半もの間、エロ本なんて読んでいないからだ!



「ああああああああぁぁぁああああああぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」



俺の心に罪悪感が押し寄せて叫んでしまう。


童貞、ウェル!!!!


ここで負けてしまうのか!?


全男子の夢を諦めてしまうのか!?


否!!!!!!!!


俺は屈しない!!!!


全世界の童貞たち!!

オラに元気をわけてくれ!!!!



その時、ウェルに(なんとなく)元気が湧いてきた。


そうだ!!!!!


俺は何のために生まれ変わったんだ!?


俺は何のために童貞でいたんだ!?


全てはこの時のためであろう!!!!!!



全世界の童貞たちの力を思い知れ!!!


罪悪感よ!!!!!!


全世界の童貞たちから集めた元〇玉で

魔人『罪悪感』を細胞残らず消滅させた。

(これは脳内イメージです)



よし!

これで俺のゆく道を邪魔するものは何もない!!!!


行くぞ!


そして、エリスお嬢様!!!


ごめん!!!!



「固有魔法『メタモルフォーゼ』!!」



俺の身体は再び光出して、姿が変わっていく。


光が収まってくると俺は変身が完了していた。


うむ、これは…。


この肌の感触…まさに女の子!


…俺のイメージと微かに女の子に触れたことのある記憶、ネットの知識を使って再現した。

本物にじゃないかもしれないが本物に近いはずだ!


そして、こっそり購入して持ってきた手鏡を使って姿を確認。


うん! 間違いない!!!!


人形になる前のエリスお嬢様だ!!!!

そう、ついに女の子の姿に!!!!


この体格。


このちっぱい!


間違いない!!


そしてわかるぞ!


確認してはないが…。



ついていないことを!!!!!!



「ふっふっふ…いざ! 禁断の花園へ!」



男子禁制の扉という名のズボンを下ろして確認する!!!



ついに童貞の夢が叶う!!!



ん…?



なんだこれは!?



花園が…。



ない…。



何故だ!?!?!?


男子のエクスカリバーはないが女子の花園もない!?


どういうことだ!?



そ、そういえば俺は…。



異世界転生してから2年間…。



1回も花園を見てない…。


記憶があやふやでこんな形になってしまったのか…!!!



「うおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!」



全世界の童貞ちよ!!!!!

すまない!!!!!!!!

俺はここまでだ!!!!


くっ!

夢が砕け散る…。


しかし、俺は諦めない!!

いつかこの夢を叶えてやるからな!!!


待っててくれ!!

我が同志(童貞)たちよ!!!


と、妄想はここまでにして…。



「そろそろ戻らないとな。

エリスお嬢様に見つかる前に」



俺はズボンをあげて宿に戻ろうとしたその時。



「誰に見つからないようにじゃ?」



「ブロバァハァ!?!?!?!?」



俺は今までにあげたことのない叫び声をあげてしまった。



「えええええええエリスお嬢さままままま!?!?!?

ななななななぜここにににに!?!?!?」



今までの人生での中で最も動揺する36歳の童貞。



「妾をみくびるでない。

宿をこっそり出ていったことぐらい気づけるわ!

何をコソコソとしているかと思いきや…。

まさか妾の身体に変身してエッチなことをしようとは…」



そうか、エリスお嬢様は暗殺者に何度も狙われているから寝ていても敏感に反応するのか!



「ちちち違う!!!

こ、これはラーニングのトレーニングで男の探究心と夢と希望を叶える大切な…」



「言い訳になっとらんわ!! この変態!!」



エリスお嬢様の飛び蹴りが俺の顔面に直撃!



「へぶし!?」



俺は吹っ飛んだ。

エリスお嬢様。

いい蹴りだぜ!


その姿でもそんなに力があるのか。



「次やったらこんなもんではすまんぞ!

わかったな!?!?」



次はないか…覚悟しておくか…。

俺は…諦めないぞ!!!


そして俺たちは宿屋に戻った。


果たして漢、ウェルの夢は叶うのか!?



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