第18話 大金ゲット!
ギルドマスターのゲルドさんがリザード討伐の報酬を持ってきた。
どさっ
「ほれ、金貨30枚だ!」
周りがザワつく。
「あいつってCランクの任務受けたんじゃないのか?」
「なんであの大金なんだ!?」
やべぇ、裏でこっそり貰えばよかったかな?
リザードの討伐は本来20体~30体なので、だいたい銀貨6枚~9枚。
それが1000体ということで、金貨30枚だ。
この世界の通貨と日本円の価値は
銅貨 100円
銀貨 1千円
金貨 1万円
白金貨 10万円
という感じで金貨30枚で30万円だ。
そりゃ、9000円ぐらいの依頼が30万円になれば驚くよな。
さらにこの世界ではこれだけあると1年は宿に困ることはない。
超大金なのだ!
「あー、この者の依頼はイレギュラーが発生してな!
リザード1000体を討伐した!
依頼主からも確認しているので間違いない!」
ゲルドさんが気を使って伝えてくれた。
さすができる男!
「マジかよ…」
「にわかに信じられんな」
「でもA級冒険者だし」
「どうせインチキだろ!」
「ギルドマスターと癒着してんのか?」
うーむ、変な噂が聞こえる…。
「ウェルくんの実力は本物だ! 俺より強いぞ!
なんならウェルくんと戦ってみるといい!
訓練場は空けておく!」
ちょ、ゲルドさん!?
「ふふん!」
エリスお嬢様!
超ドヤ顔!!
俺、帰ったら休みたいんだけどな…。
すると何人かが決闘を申し込んできた。
マジかよ…。
「おい、俺と戦えよ! もちろんサシでな!」
確かコイツらはC級冒険者か…。
仕方がない…。
ありもしない噂でゲルドさんの顔を汚すわけにはいかないからな!
そして、俺は報酬をアイテムボックスに入れて訓練場に向かおうとしたが…。
「お、おい…今のはなんだ!?」
なんで驚いているんだ?
「今のは『アイテムボックス』じゃねぇのか!?」
「そうですけど?」
周りがザワつく。
「アイテムボックスだと!?」
「あの便利な魔法か!」
「高等な空間魔法だから使えるやつは限られているのに!?」
どうやらアイテムボックスはかなり希少だったみたいだ。
そして、
「う、羨ましいぞ…ウェルくん!」
ゲルドさんも歯を食いしばって、涙を流しながら欲しがる。
そんなに希少だったのか。
確かにかなり便利だからな。
サバイバルではあるとないじゃ全然違う。
さらにこの世界では銀行がないので資産を貯めても、隠しているところがバレたら金庫ごと盗まれることがある。
そう、アイテムボックスは、この世界の最高の金庫なのだ。
などという視線を浴びながら俺たちはギルドの裏にある訓練場にやってきた。
ルールは数人のC級冒険者が俺と一人ずつ戦うというシンプルなもの。
審判はゲルドさんだ!
「それでは準備はよろしいかな?」
「俺はいつでもいいぜ!
化けの皮はがしてやる!」
「俺も大丈夫です!」
相手はアイテムボックスを見たのに、かなり舐めているようだ。
俺の実力は魔法専門だと思っているのかな?
それなら好都合!
さっさと倒して終わらせよう。
「それでは…始め!」
しかし、ゲルドさんの第一声の瞬間決着がつく。
「『ラーニング』剛剣!」
俺は距離を詰めて相手の木刀を破壊した。
「ま、参った…」
腰を抜かしたのか、ヒザをついて負けを認める冒険者。
その光景を見た他の参加者もザワつく。
「次! 前へ!!」
ゲルドさんの声を出すが誰も前に出ようとしない。
よかった。
これで終わりかな?
帰って美味しいもの食べて寝ようかな?
「怖気付いたのなら仕方がない!
なんなら全員でかかってこい!!」
ちょ、ゲルドさん!?(2回目)
「そうじゃ! そうじゃ!
まとめてかかってくるのじゃ!
この腰抜けどもが!!!」
エリスお嬢様も煽らないで!
すると全員こちらをめちゃくちゃ睨みつけながら立ち上がった。
ヤダ怖い!
俺は何も言ってないのに!?
全員が木刀を持って持ち場について構える。
20人はいるな。
早く終わらせたいなぁ。
そうだ!
「ゲルドさん、多勢に無勢なので俺は木刀を二本持ってもいいですか?」
「うむ、良いだろう!」
良し! これで二刀流が使える!
「始め!」
ゲルドさんの第一声とともにD級~C級の冒険者が一斉に襲いかかってくる。
「『ラーニング』迅剣、剛剣!
二つ同時発動!」
右手にココさんの剣術。
左手にゲルドさんの剣術。
俺の知り合いの中で最強の剣術たちの技だ!
俺は一瞬で20人の冒険者を木刀で空に打ち上げた。
「ぐあああ!!」
冒険者たちは苦痛を訴える悲鳴をあげながら、地面に墜落した。
これにはゲルドさんも驚愕していた。
「お、おいウェルくん。
また強くなったんじゃないのか?」
その通り、ゲルドさんと戦った後にゲルドさんの剣術も習得した。
さらに、頭で処理が追いついてきているので、技のキレも増している。
そうだ、俺はまだまだ強くなれる!
今度こそ一人で危険度Sランクの魔物を倒せるようになってやる!
「どうじゃ! 妾のペットは!
ドンドン強くなっているじゃろう!」
エリスお嬢様。
俺はどんなに強くなってもペットなのか!?
ここまで圧倒的な力の差を見せつければもう喧嘩売ってくるやつはいないだろう。
よかったよかった。
「では、俺はこの辺で…」
また用件があると面倒だ。
その前に早く帰ろう。
そして、俺は風呂に入り、宿の食事を二人で食べることにした。
「ここの食事は美味いのう!
ウェルの料理ほどではないがな!」
エリスお嬢様!
もうこれ以上敵を作らないで!!!!
俺は何も言ってないのにどんどん敵ができる!
それにしても、美味しそうに食べるエリスお嬢様。
実に!!!!
萌えである!!!!!!!!
「…また変なこと考えておるじゃろ?」
あぁ、エリスお嬢様がジト目でこっちを見る…。
顔に出ていたのかな?
俺の考えていることが最近バレてきている…。
しかし!!!!!!!!
そのジト目!!!!!!!!
悪くない!!!!!!!!!!!!
そして、俺たちは就寝することにした。
しかし、俺はエリスお嬢様が寝たのを見計らって、こっそり宿を抜けたのだった。
すまない、エリスお嬢様。
これは重要任務なんだ…。
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