第12話 初クエストは予想外
俺を追放した冒険者ビリーを打ち負かすことができた。
その後、エリスお嬢様との負けた約束で、全裸逆立ちで街を一周したのだった。
「領主の息子が全裸で逆立ちしているぞ!」
と話題になったようだ
スッキリしたという感覚もあるが、それよりも俺は成長して、仲間ができたことが嬉しかった。
これからが俺の人生だ!
さてさて、昨日は要らぬ邪魔が入ったが
今日こそ仕事だ!
冒険者ギルドに入ると周りの目は変わっていた。
ビリーをサシで倒したのだから。
A級は本物だという人が多くなった。
もちろんまだインチキだと言う人もいるが…。
ちなみに、ビリーが全裸逆立ちしている間に、エリスお嬢様もどのくらいの実力があるのかテストをした。
その結果は 『B級冒険者任命』。
B級の魔道士であるカーリンの状態異常系の魔法を打ち消したり、色んな補助魔法を扱えるとの事で、エリスお嬢様も飛び級合格。
そんなエリスお嬢様の感想は。
「ペットよりランクが低いのは嫌なのじゃ〜!」
と俺よりランクが低いとのことでダダをこねる。
ダダをこねるエリスお嬢様。
実に…『萌え』である!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ふむふむ…。
やはりウォーミングアップにこの仕事だな。
『リザードの群れ退治』
何やら最近、多く見かけるので退治して欲しいとの事。
『魔物の危険度』
魔物にはそれぞれランクがあり、危険度を示している。
例えば、危険度Bの魔物は
『冒険者ギルドのB級冒険者がパーティーにいなければ戦ってはならない』
というのが基準だ。
そしてリザードは危険度D。
そのリザードが20~30体ぐらいの群れをなしているなら危険度はC。
なので、俺が決めた仕事は
『C級冒険者に相応の仕事』ということになる。
俺はA級冒険者だけど
まだまだ『ラーニング』のことを知り尽くしていないので、色々と試してみたい。
優秀なアドバイザーであるエリスお嬢様がいれば、上達も早いだろう!
「その毒の粘液に触れるのじゃ」
早速、アドバイザーエリスの助言が…って…。
「なんでえええええええええええええええええええええええええ!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?」
現在はリザードの群れを退治してくれと
クエストを出した村に行く途中の森の中。
スライムやゴブリンなど危険度Gの魔物たちに
そこそこ遭遇。
その中でポイズンスライムにも遭遇して、難なく倒したのだが、エリスお嬢様が毒に触れろという。
エリスお嬢様…。
ドS!!!!
しかし、悪くない!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
でもなんで!?
「固有魔法『ラーニング』でその毒の粘液を使えるようにしておくのじゃ。動きを封じて毒を浴びせるなんてなかなか便利な技じゃなからな!」
なるほど。
今、習得しておけば何かと役に立つのか…。
でも毒が!
あ、そうか!
エリスお嬢様が回復してくれるのか!
なるほどなるほど!
前に闇ギルドから受けた毒の耐性があるから無効化できる。
しかし、それ以外の毒も無効化できるかといったらそうではない。
毒には色んな種類があるから一つ一つ耐性をつけなければならないのだ。
その耐性及び習得時間は1分。
エリスお嬢様が治してくれるから耐える時間は一瞬。
…よし!
ベチャッ
俺はポイズンスライムが出した毒の粘液を右手で触れた。
「う、熱い…」
ポイズンスライムは、その毒を出す特性から危険度F。
ノーマルのスライムより1つ上だ。
大量に出すこともないし
すぐに手が溶けるような猛毒ではないが
痺れ、発熱などがありクラクラする。
うん、これは39度の風邪に麻痺が加わった感じだ。
確かにこれは戦闘に支障が出るな。
「え、エリスお嬢様! 治療を!」
「1分耐えるのじゃ」
「なんでえええええええええええええええええええええええええ!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?」
あれ? 治してくれるんじゃ?
「妾はその昔、ラーニングの特性を把握しておらんかったからのう。1分毒に耐えないと習得できないと思っておったのじゃ。あの頃は苦労したのう」
うんうん、それで?
「主より苦労を知らないペットなんて気に入らないのじゃ。妾と同じ苦痛を虐げてやるのじゃ」
あぁ!!!!!
エリスお嬢様!!!!
悪い顔!!!!!!!!
「心配しなくても死ぬ前には治してやるのじゃ」
笑顔で物騒なこと言ってる!!!!
という感じで俺は1分耐えることとなった。
「うあああ………」
すると頭にこんなメッセージが浮かんだ。
固有魔法『ポイズンミューデス』獲得。
さらにエリスお嬢様は
「あの魔物の攻撃を受けるのじゃ!!」
「ヘブシ!!!!!!!!」
という感じでエリスお嬢様のスパルタな修行と『ラーニングの新技開発』が続いた。
本気出せば無傷で通れる森なのに!!!!
ちなみに空間魔法『テレポート』は
自分の知っている場所出ないと移動できない。
そして、距離はそんな遠くではない。
寄り道しすぎて到着が予定より遅くなってしまった。
「…もう…日が暮れましたね」
森を抜けるころには美少年ワンコはボロボロになっていた。
「早く依頼主に会おうかのう」
対するエリスお嬢様は結界の力で傷どころか汚れすらなかった。
そして、村の村長さんに話を聞くこととなった。
「来ていただきありがとうございます」
大人しそうな年配の方が丁寧にあいさつをしてくれた。
その人が依頼した村長さんか。
「しかし実は大変なことになってしまいまして…」
村長さん!!!!!
それ、めっちゃ嫌な予感がするセリフ!!!!
「リザードたちがさらに増加していき…」
え? もっと増えたの?
「推定ではありますが1000体ほど」
「1000体!?!?」
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