第四十話 第三部 完結
構わず、俺は放った。
「まだまだ!」
『
「こ、これ以上、させるかああああ!」
朱碗を、かわしながら俺は放った。
「まだまだまだ、まだまだまだああああ!」
光速の軌跡、つばめ返し!
すると『朱雀』は『ぱきぃ』と二つに折れた。そして少しすると玄庵の体も、元に戻った。
俺は、この勝負はついたなと思い告げた。
「お前にも、
玄庵は、苦もんの表情で告げた。
「くっ、『朱雀』が、僕が負けるとは……。僕はもう、
俺は、
「お前、本郷の
「何?」
「本郷の爺さんは、いつも守ることを考えていた。自分が作った刀を、江戸の町を守ってくれそうな
すると玄庵は、言い放った。
「それがどうした?! 僕は僕のやり方で、本郷様を超えて見せる!」
俺はもうこれ以上、言ってもムダだなと思い、「そうか、なら
……
少し歩くと
美玖さんは、心配そうな表情で聞いてきた。
「どうだった、
「ああ、どっちも
「どっちも?! 一体、どういうことだ?! まあ、いい。とにかく道場へ帰ろう。
話は
「ああ……」
すると美玖さんは、提案した。
「よし。こんなに、めでたいことはない。私たちだけでは、もったいない。うむ、おゆう殿も呼ぼう!」
俺は
「え? おゆうもですか? それはちょっと……」
美玖さんは、真顔で聞いてきた。
「うん? どうした誠兵衛? 顔が赤いぞ。おゆう殿がくると何か、まずいのか?」
「いや、まずくはないけど……」
俺の気持ちも知らずに美玖さんは、満面の
「それなら決まりだな! よーし、まずは今から道場へ帰ろう。道場に着くのは朝になるだろうが、
第三部 完結
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