第三十八話
「僕こそが、
「何?」と俺は
だが玄庵は、
「くはははは、
俺は
俺は、『血啜り』を振り下ろした。
玄庵は、左肩から腹部まで
「くはははは……。さすがに速いな。それに
すると玄庵の左肩から腹部までの傷が、みるみるふさがった。更に『朱雀』で斬った左腕の傷までもが、ふさがった。
玄庵は、
俺は、そりゃあ体力を消耗する侍が不利だろう、と思いつつ『血啜り』を振るった。
玄庵は、薙ぎ払いで腹部を、突きで胸を突かれた。しかし、いずれも刀治で傷は、ふさがった。
俺は少し、息が上がってきた。おいおい本当に、どんな傷でも治すのかよ……。こっちは確実に体力を消耗しているっていうのに……。これは早めに決着をつけた方が、良さそうだな……。
俺はまず、腰を左に
光の速さで、
すると玄庵は、うめいた。
「ぐっ……。これは今までの攻撃とは違うな……。これが、お前の本気の攻撃なのか……。だが、それで良い! 本気のお前を、本当の『血啜り』を倒してこそ、『朱雀』の方が優れていると
重傷を負いながらも玄庵は、『朱雀』で左腕を斬った。やはり腹部の傷は、ふさがった。
俺は、考えた。やはり、光速の軌跡でも
俺は、まず放った。
光速の軌跡!
『血啜り』は俺から見て、玄庵の腹部を左から右に斬った。それから俺は、『血啜り』を左上に斬り上げた。
光速の軌跡、つばめ
肩で息をしながら、俺は考えた。やはり、つばめ返しは体に相当な負担がかかるな……。相手に与える傷は二倍になるはずだが、俺の体には光速の軌跡の二倍以上の負担がかかるようだ……。だがさすがに『朱雀』でも、この傷は完全には治せないだろう。だが、それでいい。それで俺の勝ちだ……。
すると玄庵は、取り乱していた。
「な、何? 刀治でも、傷がふさがらないだと? そんな
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