第八話
次の日、再び僕と
市之進は、
「うーん、今日は全く動きがなかったね。お客さんや
俺は、「そうだな……、今日も、もう帰るか……」と答えるしかなかった。ところが俺たちが帰ろうとした時、
俺たちは、色めき立った。
「よし、後をつけようぜ」
「ああ、もちろんだよ!」
そして俺は、決心した。今こそ桝田が何をしたのか、
桝田は、
俺は、言い放った。
「け、こんなでけえ屋敷に住んでいるなんて、きっと、ろくなことをしてねえぜ!」
すると市之進は、答えた。
「うーむ、あれは
屋敷の門には二人の見張りがいたが、俺と市之進は一人ずつ同時に
足音を立てないように庭に入ると、ろうそくの明かりが
「椎上様、これはお礼の
「ふん、山吹色の菓子か……。どれ、菓子の下には……、うむ、確かにいただいたぞ、山吹色の
桝田は、椎上に礼を言った。流行り病の薬の値段を、椎上様の力で上げる。すると困った病人どもは、うちから金を借りる。それだけでも
椎上は、笑みをこらえて
「うむ、お前の提案で流行り病の薬の値段を上げてみると、こんなことになろうとは……。桝田屋、お
桝田も
「いえいえ、この話に乗っていただいた、椎上様ほどではございません」
「うむうむ。ところで桝田屋、金を返せなくなった奴らを売り払う、
「はい。誰に斬られたのかは分かりませんが、あいつは
「ふむ、四刀か……。三年前、江戸中の道場を破ったと言われる四刀か……。それは
「その通りでございます。そして今夜、初仕事を前に、椎上様に
「それは楽しみだ。ぬあーはっはっはっ!」
俺は思わず、
「
「
俺は二人を
「ふん、名乗るほどのものじゃあ、ねえよ。特にお前ら、胸くそが悪くなるほどの外道にはなあ……」
そして『血啜り』を抜いた。
椎上は
「ええい、
すると部屋の左右の
俺は、イラついた。
「ちっ、ぞろぞろと出てきやがったぜ!」
市之進は刀を大きく振るい、一度に数人を倒した。
「ここは僕に
「よし、ここは任せたぜ!」と俺は、二人の後を追った。
二人は屋敷の奥に逃げたが、奥の部屋に
「わ、悪いのは私じゃあない! 私は桝田の
桝田も椎上を
「こ、こいつです! 実際に流行り病の薬の値段を、上げたのはこいつなんです!」
俺はあきれて、ため息をついた。
「はあ、
俺は『血啜り』を、
ひゅっ、ひゅっと『血啜り』は二回、
「ぎゃああああ!」
「うぎゃああああ!」
俺は満足して、笑った。
「くくく、こんな外道は初めてだぜ。美味いか『血啜り』? こいつらの血は?
ぎゃはははは!」
そしてまだ、息のある二人に言い放った。
「お前らも、殺しはしねえぜ。また会ったら血を啜らせてもらうからな……。
おっと、そうだ。忘れていた。おい、お前ら!
二人は
それらを
『血啜り』の高ぶりが収まると声を出しながら、最初の部屋へ向かった。
「さ、帰るか。用心棒どもは、市之進が倒してくれていることだろうからな。おーい、市之進!」
すると市之進は叫んだ。
「気を付けて、誠兵衛君!
見ると市之進は肩で息をしながら、
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