第38話 溶解。解決☆キラン

『っしゃあやるぞ!【パーツ変換:種族王の腕(王虎)】!』


種族王?なんか適当な名前だなぁ……。なんなんだ?その種族王って。


『文字どうりさ。全ての種族の王。それが種族王。まぁ、かなりやばい存在ってのは覚えておいてくれ。』


お、おう……。なんか腑に落ちないなぁ……。


『細かい事は気にすんな!じゃあちゃっちゃと処理しようぜ!』


まぁそれは賛成だわ。つか、なんだこの爪……。ガチで強いやつですよって感じの雰囲気が見ただけでわかるんだが…。


『あぁ、威力はマジでやばい。本気で撃ったら腕がこいつに引きちぎられる可能性さえある。』


自分が食らうのか⁉︎


『まぁ、本気で使った時だけだけどな。じゃあいくぜ!【武げい:爪術の型:種族王の遊戯】』


いや、技名マジで誰が考えたんだよ。ネーミングセンスを疑うぜ…?


[使用者の力量が満たされなかったため、自動的にオートモードの利用が可能になりました。]

[状況確認の結果、オートモードが強制的に使用されます。]

【|AUTO MODE|】


おい、オートモードってなんの事だ⁉︎おい虎!




…………返事も無しかよ!


いくら待っても返事はなかった。そして俺の体も制御することができなくなった。


俺の体が勝手に走り出す。不思議な感覚だ。さっきのスピードよりも圧倒的に速い速度で走っている。

馬鹿デカい腕のパーツを振りかぶる。これ無茶苦茶重いんじゃないのか?

ヤな予感がする。

もっと壊れるんじゃないのか?町。



…………………………ヤバい………怒られる………。


でも、守らずに破壊されるよりはマシって事で……。許してくれるかな………。

弁償は………なるべくしたくないなぁ………。


『いっけえええええええええああああああああああああ!』


自分でも何が起きているかわからないほどの速さで動いている。

もしこんなのを普段の状態でしたら腕がちぎれ飛ぶ気がする。

そのくらいのスピードで腕を酷使している。


「いってぇぇっ!」

「そろそろだな…………。我も装填しておこう………。む?避難した人間に攻撃は当たっても良いのか?…………………わからなくなってきたな………。まぁ……ギリギリを攻めてみるか。凝縮させてもいいが、また固まったりするかもしれんからな。ダンジョンコアの入ったゴーレムは侮れん。」


そう言うと魔族は右手をかざした。


「あの方からもコレは滅多に使うなと言われているしな………怒られたくは無いが………まぁ我輩の地位的にも、何も問題は無いだろうが……まぁお叱りを受けるくらいは大丈夫であろう。クハハハハハハハハ!」


『煮卵』の時よりもより濃密に、より巨大な核を作り出している。


“こんな物をなんで作ったのだ⁉︎私のことを殺す気なのか⁉︎”

“そんな訳ないであろう?それに貴様殿に救ってもらった恩を返さねばなるまい?”


「懐かしいなぁ……あの時はまだ小さかったのに…………今はあんなに大きく強くなられたからなぁ……。さて、もの思いにふけるのもこれ位にしておくか………あ、あいつのコアだけ残しておくか……?多分美味しく食べるだろうしな。コレはなかなか制御が難しいなぁ!はっはっはっはっは!」

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ギルド追放された二十歳。スキルは『着ぐるみ』です。 赤狐 @akakitune0125

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