第30話 人外

「ゴメン。ナチュラルに忘れてた。」

「気にしてなかった。」

「知ってたけど男子陣がするかなぁ……と。」

それぞれが理由を述べていく。普通に無視されるのは辛いよな。うんうん。わからん事も無いぜ、その気持ち。


「はぁ……何か少し興醒めだなぁ…。まぁいいけどね。私的には嬉しい誤算だったからね。このおかげで計画を早めに進める事ができた。」

「計画?」

………何かヤな予感がするぜぇ?


「えぇ、そうよ。私たちの尊敬する、“あのお方”の計画ね。これが成功すればかなり進める事ができる。なら失敗なんてでき無いでしょう?」

「……ぅん……良く分かんねぇ。。チッ、やーな事思い出しちまった。まぁとにかく、俺は上に立つ人間が苦手だよ。大抵ね。」

「え、そうだったの?ボク初耳だよ?」

「あれ?そしたらギルマスの事………。」

「えっ?ふぇ?じゃ、じゃあ私の事……………ウ………ウ……ウワァァァン!」

「いや違いますから!大抵です大抵!ギルマスは例外だって!」

「フエェェェェェン!」

___________________________________

「…………………。」

「蚊帳の外とは案外寂しい物だな。人間。」

「…そうね。確かにそれだけは認めてあげる。」

「ム?何故上から目線なのだ。お前は強者ではなかろう。我輩にそんな口を聞いていいとでも?」

「…人間…?……あぁ。クフ♪じゃあ分かってないのね。私の正体。」

「何?」


そう言われ、少し注意して魔族が見ると………。


「ホゥ……貴様……。」

「あら?もうわかっちゃったの?ざ〜んねん。まぁいいや。あなたたちここで焼き払ってあげるわ。」

「貴様の上位互換ならそれも可能であろうな。だが無理だ、諦めろ。我輩とお前には差があるのだ。」

「見ただけでそう言っちゃう?」

「準備運動フェーズ2と行くとしよう。追いつけるかな?堕天半端者。」

「余裕よ。あんまり舐めてると痛い目見るわよ?」


言い終わった瞬間女が先に攻撃を仕掛ける。

バキバキバキ!

「ほう、冷凍か……確かに速度は落ちるなぁ…。」

「そこに気を取られてていいの?」

「む?」

足に当たっていた物が、更に背中、腕と段々氷で覆い尽くしていく。

「冷えちゃうわよ?いいの?」

「これくらいが丁度いい。今興奮しているからな。火照っているのだ。」

「下ネタに聞こえ無いのが不思議だわ。」

「むむ?おい、もう溶けてきたぞ。」

「は?何言ってるの?」

氷の塊のようにされた魔族だが余裕そうな態度は崩さ無い。

それに今外観を見て割れるような厚さの氷ではない。

だがそれを。


「ほれ。」

パリィン!カン!


「……へぇ……かなり脳筋なのね……。」

「では、行くぞ。案外、手加減はできるはずだから、安心するがいい。」

そう言うと、足に濃密な魔力が入っていくのを

「嘘…どれだけ濃密な魔力なの…。」

「フンッ!」

地面を蹴る。その瞬間。


ギシ、ミシミシミシミシミシミシミシミシ!!ガラララァン!


「なっ⁉︎」

床が階層一つ分壊れた。

「おわぁあ⁉︎」

「フエェェェェン!」

「何っ⁉︎」

「はわわ、危なぁ⁉︎」


そして落ちた。

ガラガラガラガラガラ!


「よし、これで地雷モドキも壊せたな。」

「……気づいてたのね…。」

「バレバレであろう?わかりやすいしな。では行くぞ。まだ死んでくれるなよ?」

手を上に掲げる。すると魔力が練り上がっていく。


「何その馬鹿げた魔力量……。」

「まだ序の口だがな。これをこうして……。」

段々色がついていく。透明色から黒い色に。


「何……この魔法…?」

「はっはっは。知らんだろう。秘密兵器第23号と言ったところだ。手加減にちょうどいい。さぁ受け取れ!」

その魔力球がすごいスピードで女の方に飛んでいく。


「こんなの避ければ、」

「追尾できるぞー。」

指を動かして着実に追いかけていく。


「う〜ん、なかなか当たらんなぁ……。仕方ない。




『爆散』。」

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