第27話 乱(1)
「一体どうすんだこの状況!」
「適当に収集でもすればいいんじゃない!」
「ギル君?早く答えて?その女は誰?」
「先輩。私も同じです。答えてください。」
「はっはっは!我輩、こんないい状況に巡り会えて、感動したぞ!はっはっは!」
………ダメだ。収集つかねえ…。とりあえず……。
「各自言いたい事はあるだろうが、一旦落ち着いてあいつら蹴散らす!そこからだ!わかったか!」
「は〜い!」「「…………。」」「よかろう!行くぞ!」
う〜し、大分まとまった…。2名すごい不穏な空気が出てるけど…。
「さて!じゃあいくぜ!」
俺はまず一気に距離を詰める。そんで殴る。それだけ。俺の家系?って言うのかな?みんな力が強い。しかもそんなガチムチのマッチョじゃなくスレンダー。もう訳がわからん。
まぁそんな訳で生身でも十分に奴らとは相対できる。
ミーヤは……やっぱいつものか。あいつこの前は状況が悪かっただけで、詠唱が唱え終わったら………。ほら来た。
ミーヤはその持ち前の魔力が多すぎていつも
ミーヤの戦い方はいろいろある。複雑な物から、簡単な物まで。中でも最得意としているのが、自分を強化させて近距離に持ち込んだのち、体内に『腐食』、というデバフのハイランク魔法を設置する、という物。まぁすごいグロいのよ。これ。ぐっちゃぐちゃになってさ。とんでもないの。マジで。
シェイラさんはなんかまた独特な戦い方をする。指の間に特別製の長剣を片腕に二本装備する、という物。そう。片腕で。
二刀流ではなく、四刀流。これがまた強い事で。なぎ払ったかと思ったら急に一本投げて突き刺しにいったりするし。
重くないのか、と聞くとそこまで重くない、と言っていた。
だが俺は知っている。あの剣、普通に15kgあるという事を。しかも両腕分のを換算すると、60kg行く事を。
魔族の方は……。うぇ?むちゃくちゃな戦い方してるなぁ……。
まず高威力のファイアランスで雑魚を一気に片付ける。その後、ブリザードを使って凍らせて一気に冷やす。そこをまたマグマランスを使って一気に壊す。すると一気に敵が数を減らしていく。それを何度も何度も繰り返す。
……なんてやり方だ…。
ていうか、あいつやりすぎてないだろうな…。あぁ…あんなに血だらけになって…。
ミナは可愛い見た目をしているが、俺と同様に力が強い。正直俺より強い。腕相撲やったら両手でやって互角……に見せかけられた舐めプだった。
その戦闘スタイルはまぁいわゆるどこぞの戦闘民族のごとく、ただ殴る、蹴る、殴る。このような脳筋スタイルでいつも制圧する。
こんかいもそれは同様だったようで。
「おいミナ!洋服!洋服!」
「大丈夫大丈夫!また新しく買うから!財布もできたし!」
「財布?」
なんだろう。すごく、こう、何か不自然な物を感じた。
まぁ、そんなこんなで。モンスターたちの数はすぐに減っていった。
だが、残っているモンスターもその分強力になっていく。
「段々減ってきたな…。後少しだ!」
「せっかくだし、多く殺した方の勝ちにしようではないか!」
「いいよ〜私は乗ってあげる。」
「「……………。」」
え〜約2名様程、ばちばちに火花を散らしているのは誰でしょうか〜?やめてくださ〜い。
怖いです。ぐすん。
「「「GYOOOOOEEEAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!」」」
「おぉ〜所謂これが見世物、という物か。」
「いや、違うぞ⁉︎」
「「早く決着をつける早く決着をつける……。」」
「キャー怖いー。助けてー。」
「お前は自分で守れ。」
そういって俺はミナの頭をぽすん、と叩いた。
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