第24話 ギルドマスター……ではなく、私個人の問題!邪魔しないで!
SIDE:シェイラ
「え……?ギル君が……本当にその言葉を……?」
「はい。確実に一言一句違わず、そう言ってました……。」
「………。そう、分かった……ありがとう。えっと……君は?」
「ルイボスって言います。」
「ありがとう、ルイボスくん。」
……とうとう、そんな事を言う日が来たのね…。
恐らく、ギル君は例のダンジョンで何かしらを感じ取ったのだろう。もしかしたら死ぬ、そんな何かを感じ取ったギル君は私に“お迎え”、という名のしたい処理をして欲しいと思っているのだろう。
……………サセナイ。
「ねぇ、ミーヤちゃん、レーナちゃん。」
「「はい?」」
「後の仕事、よろしくね?」
「はい!わかりました!ル………ルイボス君!あの………手伝ってくれない?」
「え、あ、うん。分かった。」
「私は納得しませんよ〜?」
「…………。だろうとは思ったよ…。」
「だってそうじゃないですか〜。先輩、死ぬかもなんでしょ〜?だったら、助けに行かなくちゃならないですか〜。ねぇ?そうでしょう?」
ミーヤちゃんからとてつもない気が出てくる。でも、この程度ならまだ大丈夫。多分レーナちゃんたちに被害がいかないように最小限に抑えようとしてるんだろうけど…。
「ミーヤちゃん。落ち着いて。ルイボス君がかなり怯えてる。」
「……ハァァァァ…。わかりました。それで?」
あれ?〜が抜けてる。という事は……
「あのね、ギル君は私に伝言を送ったんだよね?」
「はい。」
「じゃあそれってさ、私を頼ってるって事じゃないの?」
「は?」
ギシリ、と空気が張り詰めるような音が聞こえる。あぁ、もう。ルイボス君泡吹いて気絶してるじゃん。レーナちゃんも怯えてるし……いや、あれは心配してるだけか。
「何で?私じゃないんですか?やっぱりそんなに頼りなかったの?後輩だから?わからない…わからないですよ……。何で頼ってくれないんです?私だって強くなったのに。もう先輩よりも強くなったのに。何で?何で何で何で何で何で何で?」
「ごめんね、ミーヤちゃん。これもギル君の選択だから。じゃあね。」
私は狂乱状態に入ったミーヤちゃんを放置して、ギル君の元へ向かった。
「待っててね♪ギル君♪」
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SIDE:ギル
俺は上に入っていく途中に、シェイラちゃんの伝言の事を思い出した。
(シェイラさんに、あの意図。ちゃんと伝わったかなぁ…。)
多分この気配。着ぐるみでなんとかなるんだわ。まぁ、極力使わんけどさ。
だけど、あれ使った後、実はかなり疲労感がすごいわけで。ちょっと動けなくなるかもしれんし……。だからまぁ、男だし情けないけど俺を運んで欲しいからっていうのもあるし、後片付けもしてほしいから……人手を集めてくれると助かるんだけどなぁ…。
この後、盛大に意味を間違えられている事になるとは思ってもいなかったギルであった。
*すいません。今回ちょっと少なめです…。
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