第21話 あと少し

「ん?なんか今変な音がしなかったか?」

「気のせいじゃねえの?」

“それ”に最初に気がついたのは兎人族とじんぞくの少年だった。普通にただ話をしていただけ。だが、何か…何かがなっていたのが耳についた。壁を……壁を金属で削り取るような…そんな音だ。

「気のせいじゃねえの?別に俺は聞こえなかったぜ?」

「種族的な問題かもしれない……。ちょっと見てくる!」

「ちょ!何処に行くんだよ!俺も行くから待ってくれ!」

少し小太りの少年がその後を追う。

「音のした方に行ってみる!何かあるかもしれないしさ!」

「早い……!早いって……!」

少年たちが向かっている先には……あのダンジョンがあった。

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SIDE:キーアン

チッ。あいつにからずっといい事がない…。これも全部あいつのせいだ!くそが!

そんな荒れた俺を見限ってか、俺に媚をうっていた俺の性処理器具の女たちは、

「ねぇ、一旦私達…距離置かない?」

「私もちょっと……。」

といってどっかに消えていった。

あのクソ女どもめぇ……!許せない…。今度あった時にはキツくお灸を据えてやろう…!忌々しい!

そんな怒り狂っていた僕に、天使が舞い降りた。

「あの〜、すいません。ちょっといいですか〜?」

「は?テメェ誰に………すいません。人違いでした。僕に何かようでも?」

顔をあげるとそこには………



天使のような美しい女性が立っていた。



「いや〜、お恥ずかしながら少し道に迷ってしまったもので…。ここの住所、どこかわかりますか?」

その天使がそう言って出してきたのは、何かのメモのようだった。

「……ここですか〜。あぁ〜、今この場所からだと大体……30分……いや、40分くらいかかるかもしれませんね…。」

嘘だ。僕はなんとしてでもこの女性を堕としたい。いわゆる一目惚れって奴さ。だが生憎向こうからすれば僕はとってもナイスな美しい顔を持つ、かっこいい青年という事しかわかってない…。ここは慎重に行け、キーアン。この人を逃せばきっと僕は後悔する事になるぞ!

「えっ…⁉︎そんなにかかるんですか〜?」

「はい。しかも道も入り組んでいるので……慣れてないともしかしたら道に迷ってしまうかもしれない……。」

「えぇぇ……。」

「でも!僕が案内すれば解決です!さぁ!いきましょう!その場所へ!僕と一緒に!」

どうだ?このかっこいいイケメンの僕がかっこよくエスコートしてやる言ってるんだぜ?大抵こういっておけば……。

「ごめんなさい。流石に名前もしらない男の人と一緒に歩くのは少し……あれなので……遠慮しておきま」

「キーアン!キーアン・カラーと申します!」

「キーアン………あぁ…あの……なら……クス♪褒めてくれるかな?(ボソッ)」

「あなたのお名前は?」

「………シア。シアと申します。よろしくね。」

「はい!よろしくお願いします!ささ、こうしてお互いの名前も知れた事だし、一緒に参りましょうか!」

「えぇ、宜しくお願いします。」

フハハ!これはもう堕ちたも同然!まずは手を……!


「やめろ。」


ゾワッ。

な……何だ今の……?相当な圧力……。さらには恐ろしいほどの魔力…。A級の僕でもこんな魔力量はない。見た事があるとすれば……。


「シェイラさんと同等…………だと…⁉︎」


「あ、ごめんなさい。つい本心………いえ、流石にまだ手はちょっと…。」

「あ……あぁ…すいません…。僕が不躾でした…。で……では!案内いたします……。」

でも、僕は諦めないぞ!

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シア?の魔力が解放された時、ギルは……。


「ん?………⁉︎この魔力…!まさか……あいつが来たのか!」

とガタッと音を立てて起き上がった。


シェイラとミーヤは……。


「「(ムム!この気配……新たな恋敵の予感!)」」

何かを敏感に感じ取っていた。


???は…。


「な……S級が急に一人増えた……。不味いな…。厄介な事になった。


魔族は……。

「!強者がいる。猛者がいる!そっちだな!今行くぞ!」

なんか面倒な事になりそうな事をしていた。

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