第20話 それぞれの状況

今更なんだがこの街のダンジョン。上に伸びている珍しいダンジョンの形として有名なのだが、少し不自然な所がある。中の高さと外から見た高さが違うのだ。外から見た所、四階建ての建物くらいの高さ。おおよそ8メートルくらい。だが中のダンジョンは今までに50階層くらいまで観測されている。ちなみにまだ続いている訳ではなく、55階層までが限界の高さらしい。そして今、そのダンジョンが崩壊の危機に瀕している事を、まだ誰も予測できていなかった。

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「あの〜。先輩?何にご立腹なさっているのですか〜?私何も悪い事してませんよ〜?」

「………そうか。じゃああの俺の大事にとっておいた“チモ”食ったのは誰か知ってるか?」

「“チモ”?何の事ですか?」

「知らねえのか……あの白くてモチモチしてて美味しい奴を……!」

まぁ、あっためた場合だが……。確か東方で有名な餅?ってやつをこっちにいる人間が食い易くしたもんらしいけど…。それがまぁ〜上手いんだよね。しかもかなり人気があって中々買えないから楽しみにしてたんだが……容器の中に入れてたのに食われてたんだ。



許さん。もし食ったのがシェイラさん以外の女性なら潰す。男なら………殺す。完っ璧に殺す。ぜってえ許さん。


「せ、先輩。殺気が漏れてるんでやめてください〜!恥ずかしいです〜……///。」

「あ、そう。それはすまんかったなぁ!」

あぁぁぁぁぁぁぁぁむしゃくしゃするぜぇぇぇぇ!!!!!誰だよ食った奴はぁ!


「……………。ぁぁぁぁあ………。」

「先輩?まだ愚図るようでしたらですよ?」

………。チッ。


「しゃあなしなぁ……。」

「はい。それでいいんです〜♪」

流石に無理だわ。こんな所じゃ勝ち目がねえ。一旦落ち着け

「る訳ねぇだろぉぉお!!!!!」

バシィン!!!


「カクッ。」

「全くも〜。手間がかかるんですから〜。」

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とか色々やってる間に、ダンジョン内では。


「おい、準備はできてるんだろうな。」

「ええ、抜かりはありません。」

「ならいい。だが、失敗は許されないからな。くれぐれも、ミスをするんじゃねえぞ。良いな。」

「わかってますって。言っているじゃないですか。私より弱いのに調子に乗っちゃって。」

「はあ”?」

「クスクスクス。さ、持ち場につきましょう?失敗は許されない、ですよね?」

「チッ。さっさと行くぞ。」


なんか凄い陰謀が巻き起こっていた。

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そしてその一方では。

「ムムム〜!ギル兄、こっちに来てからさてはモテるようになったな〜。私は悲しいぞ〜!」

全く、あんないいを放っておく訳ないのに!ギル兄は警戒心が薄いんだからぁ〜。やっぱりボクがいないとダメだね!うんうん!だから………




あんまりくっついたり、イチャイチャしたりしちゃダメだよ?

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さらにその一方では。

「シェイラお姉ちゃ〜ん!クッキー焼けたよ〜。休憩しよ〜よ〜!」

「え⁉︎やったぁ!今行くね〜!」

平和にクッキーを焼く、二人の少女?達の姿があった。

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さらにさらにその一方では。

「その話………本当だろうな……?」

「はい。私では勝てませんでした……。しかも、恐らくですがあれは手加減されていたと思います……。は確実に私たちにとっての脅威となります…。早急に対策を立てた方がよろしいかと……。」

「ふん。そんな者、我輩にかかれば一瞬よ。待っておれ、着ぐるみの男。今すぐにその息の根を止めてやろう!ハーッハッハッハッハッハ!」

高らかに笑う謎の男の姿があった。

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