第19話 不穏ですな。

ギルが魔族を討伐した?その夜遅く。


「………うぐっ……私が……ここまでの傷を負うとはっ………あの人間…いや、本当に人間か?どちらにせよ、あの方の脅威に……!私のような三番目サードでは勝てないのなら……二番目セカンド……もしくは一番目ファーストの方々に報告しなければ……。あの着ぐるみ……我ら悲願の邪魔になる事は一目瞭然っ!私が……私がなんとかしなければ……!」


何やら、不穏な空気の種が、生きていたようですよ?

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「くかぁ〜〜……。スゥゥゥ………ファァァァ……。」

「お〜きてっくださいっ!」

「グボエェッ⁉︎」

腹が……腹が多大な損傷を……!

「その……起こし方…は…駄目だろ………………ガクッ…。」

「ちゃっかり二度寝しようとしないでくださ〜い。」

「ふぅふうぇ!」

その上で叩くな!って言おうとしたけど無理だった…。


今どうゆう状況かというと、腹の上にまくらを(ちょっと硬いやつ)を何度も叩きつけてくる。それも凄い力で。


「相当痛いんだが…?お前は加減というものを知ったほうがいい。じゃねえと被害が出るんだ。俺に。」

「じゃあいいじゃないですか〜?私が言うのもなんですが、喜ぶ男性は多いと小耳に挟んだ事があるのですが〜?」

「アホか。俺はそんな趣味じゃないわい。」

どっちかと言うとMよりSのほうがってだけだ。痛いのは嫌じゃん?

「とにかく、こういう起こし方はやめろ。ちょっといちゃい。」

ちぃとばかり噛んでしまった…。朝だからかな…?

「フウッ!」

「お前今笑ったろ。お前今笑ったろ!」

仕方ねえじゃん!朝一だぜ⁉︎仕方ねえじゃん!

「……ふぅ。さっさと起きますよ〜。仕事は溜まりに溜まっていますよ〜。その手伝いはギルドメンバーである以上、キチンとこなしていただかないと〜…!」

「やめろ⁉︎引っ張るんじゃねえ!現実逃避くらい良いだろ⁉︎」

「駄目です〜!私たちだって忙しいんですから!」

「離せェェェェェェェェェ!!!!!」

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………朝一はキツかったよ。ぐすん……。


「あ!ギル君!おはよ〜。」

シェイラさんも……。

「やっとギル君と一緒に仕事を………んん!少しは楽ができるよ〜!」

仕事させるそっち側ですよね〜。働かないとだめですか〜…。

「さ、仕事仕事〜♪」

そ、そんなに仕事が好きなんですか…。姿勢としてはものすごく良いですね……。

「仕方ねぇ。俺もやるかね。」

「じゃあ先輩はそっちの新入メンバーのテストの合否を仕分けて〜。」

「ふいふい。了解しました。」

取り敢えず適当に選んでみる。

こいつは………駄目だな。経歴的にちょっとあかん。なんだ強姦未遂って。絶対うちの二人シェイラさんとミーヤ狙いだろ!あんな二人だが普通に良い奴らだ。こんな奴に遅れをとるとは思わんが、さすがに不安な要素は排除しておきたい。ボツ。次だな。

え〜と、こいつは………うん…。なんというか…。過去に色々やらかしたってわけじゃねえが………。まぁ、実害は全部あの二人が排除するだろうし、大丈夫だが。まぁよかろう。採用。次。

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そんなこんなで半分くらいまで合否を決めていると、不穏な要素の塊みたいなのが出てきた。

経歴不明。能力不明。名前はジェラ。

何なんだ…こいつ…。絶対不採用、と言いたいところだが実際に会ってみたいなぁ……。どっかで聞いた事のある名前だし…。まぁ、たまたまかもしれないしな。こんな感じの名前はよくあるし。うん。気のせいだよな!うん!



……え?気のせいだよな?

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SIDE:?????

はぁ〜、やぁ〜っと追いついたよ?ギル兄?

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