第17話 クマの魔族特攻VS上流階級の魔族
【『くまのべあちゃん』を起動します。最終確認です。よろしいですか?YES/NO】
「YESしかねぇよなぁ!」
でもなんで最終確認とかしたんだ?うさぎの時は何もなかったが…?
【起動します。】
そうすると俺の体がどんどん包まれていく。さて、一体どんな能力なのか。
[..................あなたがMASTER?]
そうですけど………何か?
[意外といい顔してる………。体つきも……。(*'-'*)]
……。早くあの魔族って奴倒すの手伝ってくれねぇか?正直勝てる見込みがない…。
[いい……と言いたいけど、対価が欲しい…。]
………対価って?
[なんでもいい。魔力、ご飯、貴方の体、色々ある。どれがいい?]
絶対ご飯でお願いします!
「ふむ、面妖なモノを出してきたな。しかもそんな舐めきった布を良くかぶることができる…。冷めた。細切れにしてやる。」
その魔族は自分の爪を伸ばし、突進してきた。
やべっ!くるぞ!
[大丈夫。システム状、私はこういう時に強い。]
【反魔力システム、起動。衝撃強化、思考速度上昇、防護、付与します………。完了。脳への負荷を想定し、補助能力を付け足します。】
わ、何か凄いことになってるような気がする。
【主導権が、乗っ取られました。これより三分間、主導権は『くまのべあちゃん』に渡ります。】
は?
[ありがと、MASTER。久しぶりに動ける。]
「無様に散るがいい。」
そうして魔族が腕を振りかぶった瞬間。
魔族は後方へ吹っ飛ばされていった。
今、何が起こった?全く視認できなかった。反応が全く出来なかった。“こいつ”は一体何をした?
[別に大したことじゃない。ただ腕で弾き飛ばしただけ。……残り2分42秒。それまで思いっきり暴れてやる…。]
あの……思いっきりは多分ここが壊れるから止めて…?
[………善処する……。]
おい!マジで止めろよ⁉︎
ガラ、と音がしたのでそちらを見てみると、不気味な笑みを浮かべた魔族が立っていた。
「……クソつまらん任務かと思っていたが。何だこれは。楽しいじゃないか。こんなことになるなんて、私はツイているなぁ。ククククク。」
いかにもな笑い方すんな!気持ち悪い(圧倒的理不尽)。
「私の名前はシャベーラ・ペチャブッッッッッ!」
ドカァァァァン!
あ、お話も聞いてあげないのね。と、思った瞬間そっちに走って追撃を行ったべあちゃん。え、やば。どんだけ強いんだこの着ぐるみ。
「はぁ、はぁ、少しっ!名乗らせるくらいはっ!させてくれないのかね!」
[お前が名乗る暇があったら私が攻撃する。そんな暇がなくても私は攻撃する。]
「……む?さっきの青年とは少し声が違う…。誰だ?貴様。あの男ではないということは……何かの精霊か?」
[知らない。別に興味もないし。]
という会話をしているがものすごい攻撃の応酬が互いに飛び交っている。まぁ、圧倒的にこいつの方が有利っぽいんだけど。
「……だが、お前の戦い方もまだ甘い。技術がないのだ。そんなモノで私に勝てるわけが、」
[ある。簡単。脳筋でいい。]
そういうと、無理やり殴ってまた吹っ飛ばした。そこからさらに素早く吹っ飛んだ方向に走り、
[『くまのハンターツール・爪』]
と言って、着ぐるみの腕の爪が相当長くなり、魔族の体を切り裂いた。
「⁉︎グアアアアアアアア!」
[これでおしまい。バイバイ。]
そういうとべあちゃんは魔族の体を全体的に踏んで行って、跡形もなく消滅させた。
[ん、もう直ぐ三分。次出てきた時に、報酬は一括払いで。]
そういって、消えていった。
【『くまのべあちゃん』の使用回数が上限に達しました。18時間後、また使えるようになります。】
あいつ、一日に約一回しか使えないのか。へぇ、道理で強いわけだ。
ちなみに余談だが、今日の力はまだ半分も出していないとのこと。頼りになるな!
………あれ。着ぐるみってなんだっけ?
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