第16話 早く諦めてほしい……と思っていたら。誰だお前。
……。その後、色々な依頼に取り掛かったが全く怖がるそぶりも見せなかったレーナちゃん。いやね、結構怖い内容を選んだんだよ?例をあげれば幽霊屋敷の探索だったり、餌に引っかかったネズミを駆除したり、墓場の落し物探したり………。けど、全く諦める気配がない…。何でや…レーナちゃん…。早く諦めてくれよ……。危ないのに仕事だし、これで認めてしまえば俺がゴッズに殺される…!
「あの〜、レーナちゃん?本当に、諦めて良いんだよ?あんまり無理しても良いことないからね?」
「無理して無いから良いの!私、あの人の為なら頑張るって決めたから!」
「………。了解…。でも、無理そうなら早めに言えよ?」
「……うん…。」
全く、どうしてこんなに頑固になったのかねぇ…。もしかしたら両親の影響か…?
………十分あり得る。
まぁ、その話題自体はどうでも良いか。さてと、次の依頼は…。これでラストか。
『井戸の下の通路に、“何か”がいるので正体を突き止めて欲しい。』
という内容だ。こういう場合、大抵はこの生物が危険、ということではない。足を滑らせて下に落ちる、ということが一番気にし無いといけ無い部分だ。他はあんまり気にすることはない。
「さ、幸い下水道じゃないから匂いもキツくない。よかったなぁ。」
「え、それよりもっと臭いんですか……?」
「うん。そうだよ〜?」
お、何か考えてる…。どうしてだろうか。まさかとは思うが……諦めr
「でもやっぱり頑張ります!」
oh........マジ?
まぁでも、半分予想どうりだけどさ。うん。
「じゃあ、最後の仕事。これができれば登録、ということで。それでいい?」
そう言うと、レーナちゃんはパァァァァッッ!と、顔が……あ、眩しいッ!
「はいっ!」
クソッ…。どうしても年下には優しくしてしまう……(対象年齢は0~12)。べっ、別にロリコンじゃねえからな!俺の理想は……いや、言わないでおこう…。
「ねぇ、早く行きたいんですけど…?」
「ん?あぁ、ごめんごめん。」
あぁ〜、もうダメだぁ…。これが終わったら最悪あの二人に押し付けてやろう…。俺は知らん…。
「さて、調査と行きますか。」
______________________________
俺とレーナちゃんはそのまま調査に入った。別に何か特別なことをしなきゃいけないわけじゃないしな。
「……何もいませんね…。ここで本当にあってるんですか?」
「いや、溝の裏とかに隠れてたりするからそこらへん探した方がいいかも。案外潜んでるかもしれ無いし。」
いや、本当に何もい無いな。何かいるっていうのは聞いてるんだけどなぁ……。どゆこと?
すると突然。
【敵対生物を確認。警戒体制をとりますか?YES/NO】
「え”?」
「?どうしたんですか?急に…。」
「ちょっと不味いことになったかも。俺から離れ無いで…。ここには確かに……何か……いる…。」
「え?」
当然俺はYESを選ぶ。どうなるかわから無いなら警戒するに越したことはない…。まぁ、警戒してるのが着ぐるみってどうかしてると思うけどさ。
一体どこからくる?何が?どんな大きさだ?自然とレーナちゃんを庇うような体制をとる。これは……ちぃとばかりイカンかもなぁ…。中々キツい気迫が奥の方から漂ってくる…。
何だ…ありゃ?人型…?は?嘘だろ?あの姿って…。
どうやらレーナちゃんも同じようなことを考えていたようだ。
「「魔族……?」」
「ん?私のことが下賎な下等生物である貴様らにも伝わっておるのか?ほう。珍しいことだな。いつも私たちは魔族ではなく、悪魔、と言われるのだが…。いや、これが時代の移り変わりということか…。いやはや、時の流れとは早いものだな…。」
普通に話しているだけなんだろうが……相当こっちまでプレッシャーが飛んでくる…。何だこの化け物じみたオーラは…。こいつ……そうとうヤベエな…。取り敢えず、レーナちゃんだけは逃がさねぇと…。
「レーナちゃん。お願いがある。」
「……怖いよぉ……。」
チッ。怖さでわけも分からなくなってきたのか…。クソ…。これじゃあ非常に不利だな…。どうする俺…。着ぐるみは確かに高性能だ…。だが…うささんでも流石にこの状況は無理っぽいよなぁ…。どうする…。
【この状況に適した『着ぐるみ』があります。使用しますか?YES/NO】
………使うかぁ…。それしか道がねぇようだし。
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