第14話 仕事と回想

「さぁて、じゃあ、準備は良いかな?レーナちゃん?」

「うん!」


今、俺たちはギルドで準備を終わらせてきた。まず、依頼の内容の確認。内容の確認書の依頼人のサイン。そして作業服。


「さぁ、レッツ!」


「「冒険者体験〜!」」

______________________________

「その一!ボロ屋の掃除〜!」

「お〜!」

ちなみに、いつもは大概こんなことはしない。何故なら汚いから。だが、レーナちゃんの為だ。お兄さん、一肌脱いでやるぞ!


「まず、このボロ屋を掃除する理由は?答えよっ!」

「あい!管理人の人が苦情を受けていて、それを解決できなかったからです!」

「そのと〜り!ちなみに、冒険者、という名前だからいつも冒険してるイメージがあるが、それは過去のおとぎ話の話だよ。うん。今時そんなことやってる人なんて少ないからねぇ…。」

「そうゆうことをして良いのはどれくらいになってから?」

「え”っ。いや、まぁ…そのぉ……S級…です…。」

俺が今どもったのは理由がある。


それは………。


以前のミーヤがこんな感じだったのだ。俺は普通にその時、ミーヤのことを普通の女の子かと思っていた。そしたらある日、急にこんなことを言い出したのだ。


「あの〜、先輩ってどんなタイプの人が好みなんですか〜。」


と。俺はその当時、ただの恋バナかと思っていたし、何よりその時は若気の至りだったのだ。とんでもない発言をしてしまった。


「う〜ん。ギリヒモじゃないくらいの生活をさせてくれたり、守ってくれたりするかっこよくてかわいい女性かなぁ〜?」


「……そうなんですね〜。」


という。この時、酒の効果も入っていたのだろう。俺は少しHIGHハイってやつになっていたのだ。そして、その軽はずみな言動で。


一ヶ月後に、

「せんぱ〜い!ついに私、A級になりましたよ〜。」

と。唐突に宣言してきて、さらには。


「これでお付き合いしてくれますか?」

と、上目遣いで言ってきたのだ。一ヶ月前はD級の普通の女の子だった子が!急に強くなって!付き合ってくれと頼まれる!俺はその時、まぁた変な事を言ってしまった。


「……S級になったら考えてやる…。」


そう言ってしまったのだ。そう言ってしまったのである!だから、どうにかしてあいつから逃げたいが…無理かも……(泣)。


「あの、どうしたの?」

「ハッ!すまない、少し思い出す事があってな…。」

「ふ〜ん。じゃあもう始めよう!何をするんだっけ?」

「ん?掃除っていったろ?」

「え?掃除器具なんてどこにもないけど…?」


「あるじゃん。そこに。」

俺が指を指した先にはが置かれていた。


「え……?まさか……冗談……だよね?」


「そのまさかなんだよ、レーナちゃん。ミーヤも俺もこの道を通ったんだ。これくらいできなきゃ冒険者にはなれないぞ…?」


「………分かった。けど、絶対に守ってね?私…絶対魔ネズミだけはダメなの…。」

*魔ネズミとは!ネズミの魔物化した姿!よくボロ屋や使われていない廃墟に住み着く。

「分かった分かった…。多分…(ボソッ)」


こうして、怯えるレーナちゃんを後ろに、俺は中に入っていった。

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