第5話 ランキング5位

「じゃ、俺も温泉入ってくるから!」


 女性陣は温泉に行き、大塚と二人になっていたがどうやら大塚も温泉に行くらしい。


「なんだよ……俺も行くよ」


「お、おう」


 あからさまに落ち込んでたから誘いにくかったのだろうか


         ***


「ぷはー、生き返るぜー」


「なんかじじ臭いぞ」


「うるせー」


 浴場は広くてとても暖かい。

 最近は忙しかったせいか、ものすごく疲れが取れる気がする。


「……でもたしかに気持ちがいいな」


「当たり前だ。俺が運で当てたやつだぞ?」


 確かに、最近こいつの運がいい話はよく聞く。


「さすがだな」


 素直に褒めると


「なぁ、勇気……」


 大塚は稀に見る真剣な表情で、


「お前あの二人のことどう思ってんだよー!」


 ……いや、真剣な表情などではなかった。

 逆にニヤニヤと、こちらの顔を覗き込んでくる。


「だって如月と姫野だぞ! 姫乃は言わなくてもわかるが、如月だって雑誌に載るほど有名人だ。それに隠れファンもいるらしい」


「隠れファン? あいつに?」


「あぁ、そうだよ。可愛いってな」


 たしかに如月はテニスでとても有名だ。

 それも雑誌に載るほどに。

 そしてあの容姿に低身長……なるほど、変なファンがつくのもわかる。


「……お前は気づいてないかもしれないが、あいつは高一から結構人気だ。彼女にしたいランキングあいつ一応ランクインしてるんだぜ?」


「いや、そんなわけ……」


 そんなことはない、なぜかそう思いながら俺はすぐ風呂を出て、着替えのところにあるスマホを手にランキングを調べ始めた。


 すると……


「……」


 なぜこんなに落ち込んでいるのだろう、その疑問もわからないまま、勇気は5位の名前を見ていた。

 

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