第2話 待ち合わせ
(……少し、早く着きすぎたか?)
集合時間は今から30分後、11時予定。
集合は東京駅。
乗り換えがうまく行き、思ったより早く着くことができた。
暇を潰そうか悩みながらとりあえず集合場所へ
(……ん?)
「早いですね。勇気君」
そこにいたのは姫野花音だった。
(ひ……姫野の私服……)
当然だが、私服だ。
この当たり前のことを勇気はすっかり忘れていた。
いつもと違う髪型のツインテールに普段見ないズボン姿、そして帽子。
いつもはザ・清楚って感じだけど……これはこれでいい、というか印象が違いすぎて心臓が止まりかけた。
(これがギャップ萌え……という奴なのか)
「お、おはよう。……えっと、いつもと印象違うね……」
裏返るのを抑えつつ喋る……なんでこんなに緊張してるんだ、俺は。
「はい……。たまにはこういう服もって、友達が選んでくださって……」
(友達、グッジョブ!)
派手でなく、ボーイッシュな感じ、でも隠しきれない清楚がまたいい……
「……あの、やっぱり変でしょうか?」
凝視しすぎたからだろうか、姫野はもじもじとする。
「い、いや! そんなことないよ、むしろ可愛くて驚いてたところだから」
「か、かわっ!? ……うぅ、お世辞はいいですよ」
……初めて見るリアクション。
姫野は顔を赤らめ目を逸らす、帽子を被っているため、鍔で目が少ししか見えない。
「……お世辞じゃないって」
「……ありがとうございます……」
だんだん冷静になってきた。
俺はなにを言ってるんだろう。
気が付けば思ったことを全部言ってしまっていた。
これは……流石にひかれただろうか……
***
如月と大塚が合流する頃には、なんともいえない空気が2人を包んでいた。
大塚は顔が赤くなった姫野を、如月は落ち込んでいる勇気を見て、2人はため息をした。
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