第1話 ゴールデンウィークの予定

 今日は5月2日、明日からゴールデンウィークとなる。


 だからなのか、久々の休みにクラスのみんなのテンションがやけに高い気がする。


「明日はゴールデンウィークだぜ! どうするよ!」

「えぇ〜私は家でゆっくりしようかなぁ〜」


 小学生かよと思うほどのはしゃぎっぷり、今更高校生にもなって……


「ねぇねぇねぇー!! ゴールデンウィークだよ!! どこ行くー??」


 ここにもうるさい奴が1人、うちの学校の生徒はどんだけゴールデンウィークが好きなんだよ……


「聞いてる? 勇気ー?」


 身内……!?


「って如月か……!? あー、そういえばこいつ毎年休み前はテンション高いんだった……」


 如月きさらぎはな、小学生からの幼馴染、ちなみに身長的にも小さいからテンションが高くても違和感がないというのは秘密だ。


「去年はみんな忙しかったからな……ちなみに今回は俺も予定、空いてるぜ!」


 後ろから話しかけてくるのは大塚おおつか涼真りょうま

 高校1年からの仲だ。


「お前もノリノリだな……」

「当たり前だろ! 最近全然高校生っぽいことできてないんだ! ……それにほら、お前もこの前は大変だっただろ? だから人のいない田舎にでも行ってリフレッシュをだな……」


 言ってることは少し感動するが顔だよ顔。

 ……完全に顔が緩んでいる。


「……そんなこと言って、どこ行くんだよ。もう明日からだぞゴールデンウィーク」


「ふっふっふっ……俺がなにもしていないと思ったのか?」


 眼鏡をくいっと……からのドヤ顔。


「じゃじゃーん!! こちらにあるのはな、な、なんと!!『2泊3日温泉旅行チケット』4だぁあああああ!!」


「きゃー!」


 大塚が言うと、如月も歓声をあげる。

 パチパチパチ、と2人から拍手。


「お、おい、聞いてないぞ! 明日からってそれ親が許してくれるか……」

「大丈夫だ! 真美まみさんには連絡取ってある!!」

「えぇ……母さんもグルかよ」


 まさか前日に言われるとは思わなかった。

 それにこの芝居がかった如月を見るからに、前から知ってやがったなこいつ……


 ……ん? でも4……?


「……すいません、遅れました!」


 と、そこへ入ってきたのは姫野ひめの花音かのん

 我が校、裏のアイドルとして人気が高い。


「……まさか……」

「そう! なんと花音ちゃんも明日から一緒に旅行です!」


 パチパチパチ、と拍手が鳴り響く。

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