第2話 出会い
「……であるからして……」
学校の授業というものはどうしてこうも眠いのだろうか。
もちろん眠れないほど面白い授業はある。
だがそれは先生の面白さ、熱意によって変わると思う。
って言うか実際今この授業を真面目に受けてもどちらにせよ頭に入らない気がする。
……よし、寝よう。
「……変な理由つけて寝ないでよ!」
隣から小声が聞こえるが……眠気には勝てんな
声の正体は
俺の小学校からの幼馴染であり、席が隣の同級生だ。
ちなみに、頭の上を見ると「不明」の文字
「ちょっと、成績悪くて先生にも目付けられてるんだから! 寝てるのバレたら、あわわ……」
無視しようかと思ったが……如月の声量が無意識にどんどん大きくなる。
こいつは、昔から……まぁ仕方ないか
俺は起き上がり、黒板を見る……横からは如月の「よかったぁ……」と言う声がするが、その声はもはや普通に話すほどの声量で、しかもちょうど先生が説明を終えた瞬間だった。
「なんか騒がしいな……お? ちょうどいい、勇気! これを解け!」
「まじかよ……」
まぁ当然解けるわけもなく、恥を晒しその時間は終わった。
***
「はぁ……」
これで何回目だろうか、如月はほぼ必ずと言っていいほどに毎回同じクラス、隣の席をくじで当ててくる。
そして俺を起こしにくるのだ。
……そこまではいいのだが、テンパると声量が大きくなるのだ。
本人は気づいていないが
明日もまた、同じような日々が続くのだろう。
嫌いではないが、どこか退屈な日常。
ただ、今日はいつもと違う。
それは頭の文字。
「このカウントも意味わかんねぇしな」
まぁそのうちわかる、と思い学校では無視してたが、流石に慣れない。
「うわっ!」
考え事をしていたせいか、曲がり角を曲がろうとした瞬間、誰かとぶつかる。
ふわっといい匂いがしたのを覚えている。
おそらく女性だ……いや、それよりも謝らなければ
「すいませ……ん」
目の前にいたのは、まるで人形のような綺麗な女性だった。
黒色でツーサイドアップのさらさらな髪、身長はそれほど高くはなく、綺麗だが……どこか可愛らしさがある。
一目見て誰かすぐわかった。
「
彼女は隣のクラスの有名人だった。
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