6章 精霊6章 精霊様に感謝を捧げよう

6章までのあらすじ

 




 日本の会社員であった主人公は死に通じる仮神に殺され、剣と魔法の世界にて新しくセイジェンド(通称セージ)として生まれ変わった。


 仮神ことデス子(セージ命名)はセージに街で一番の魔力持ちに成長してねと言い、そのために魔力感知(が出来る)加護を与えた。

 デス子の加護はその仮神である自らの体の一部である瞳をくり抜き、幾重もの封印でもってセージに宿すというものだった。


 封印はセージの成長に従って少しずつ緩み、その力を解放してセージのものとさせるよう細工がされており、封じられた瞳は自らの開放を願って運命に影響を及ぼし、セージに多くの試練を運んでくる。



 セージは生まれて一ヶ月もしないうちに実父と死別し、経済的に困窮した母親から孤児院(と勘違いされた家)の門前に捨てられ、セイジェンド・ブレイドホームとなった。

 そして拾われたものの、そのブレイドホーム家は貧乏だった。


 セージは幼いながらも四苦八苦してアルバイトに精を出し、なんとか食べるのに困らない程度の生活を送っていたが末弟の死をきっかけに簡単に稼げる命がけの仕事に足を踏み出す。


 幸い、セージには仮神の瞳が封じられており、擬似的な神性、不死の力を持っていたので死んでも何とかなった(この時点では本人は未自覚)。



 そんなこんなで一般家庭並みに生活水準を上げ、エンゲル係数を引き下げることに成功したセージだったが、養父であり師であるジオレイン・ベールガーが偉大な功績をなした英雄であったため、金銭的な不自由がなくなった(ただしセージはジオに感謝などしない)。


 ただ二番目の兄であるカイン・ブレイドホームとのとある事件を経て、少なくとも兄弟子供たちが立派な大人になるまでは、命がけの仕事はやめずに立派な職人(戦士です)として胸を張って仕事をしようと決意する。



 英雄ジオレインはしかし同時に魔人と呼ばれる無頼漢であったため、過去には多くの揉め事を起こしてきた。

 そのため彼に隔意を持つ騎士の名家マージネル家に目をつけられ、セイジェンドは最年少の皇剣ケイ・マージネルとは剣を交わすまでに至った。

 その戦いの中でセージは自身に眠るデス子の力に気付き、大きく成長をする。


 戦いは突如現れた竜によって中断され、その竜はジオレインと最強の皇剣ラウド・スナイクの手によって狩られる。

 その後は交換留学などを経てマージネル家とも和解し、守護都市三大名家と面識を得る。



 守護都市の名家には今は廃れた名家が有り、そこにはセージの義兄アベルとカインも在籍していた。

 その名家、ジェイダス家はジオの師であるアシュレイ・ブレイドホームが用心棒をしていた家でもあり、なじみの深い家だった。


 そのジェイダス家は十年前から幾度となく悪漢に襲われ壊滅的な被害を受けており、アベルとカインの実の家族もその際に殺されている。

 その殺害犯であるフレイムリッパーは、アベルの恋人であり、守護都市の腐敗した官僚機構を是正するシエスタ・トートを狙って再び姿を現した。

 シエスタは心臓を貫かれるものの、セージとの契約で一命を取り留め、その後アベルと正式に婚約を交わした。


 フレイムリッパーの正体はブレイドホーム家に関わるものであり、国主精霊に仕え、主に暗殺を請け負う身分であった。

 フレイムリッパーはセージにその命を狙われながら、宿願であったジオの呪いを解き、その身をモンスターへと変貌させた。

 最後はジオの手で黄泉路へと送られ、セージたちに莫大な借金を残した。



 ※※※※※※



 IF補足


 二章以降のIFはデス子の介入のない(セイジェンドの魂が転生体でない)世界の運命となっています。(一章のIFは失敗して消えた運命です)。


 以下は、変化した運命を一部抜粋しています。



 ・セイジェンドの魂が日本人であった前世の記憶を持つサイコパス

 ・ダストがブレイドホーム家に拾われ延命、その後病死する

 ・カイン生存

 ・ケイ生存

 ・アベル生存

 ・マギー生存

 ・クライス生存

 ・アール生存

 ・マリア生存

 ・マージネル家零落回避

 ・ブレイドホーム家焼失回避

 ・ジェイダス家零落

 ・デイト死亡

 ・竜早期襲撃

 ・アルドレ死亡

 ・グローリア死亡

 ・ラキュリア死亡



 ※※※※※※



 ここからは設定ネタ混じりの人物紹介になります。苦手な人は気をつけてください。

 年齢に関しては6章開始時のものとなります。



 セイジェンド・ブレイドホーム。

 愛称セージ。十歳。

 本編の進行役で、元日本人。サイコパスな一面を持つ偽善者。

 心臓にデス子の瞳が封じられており、劣化はしているが現世神の不死の肉体と全てを見通す眼(本人の認識は魔力感知)を持つ。

 ある程度精神集中ができていると〈心は死んでいる〉というキーワードで〈無我の境地〉にマインドセットできる。

 身長は145cmになった。

 日本円換算で200億円オーバーの借金を抱える苦労人。



 デス子

 本名年齢共に不詳。死を連想させる喪服として、常に黒いドレスを着ている。

 世界の運命を守る現世神うつしよがみと呼ばれる存在で、死と契約した元人間で、今は死に通じる仮神。

 出番はたまに顔を出す程度。

 謎めいたヒロイン(自称)だから、出番が少ないくらいでちょうどいいんですよ~。

 デイトを生存させたがっていた。



 ジオレイン・ベルーガー


 愛称ジオ。あるいは親父。推定年齢四十四歳。

 竜殺しを果たした英雄であり、セージたちを拾った一家のまるでダメな大黒柱のオヤジ。戦闘と負債を作るのが得意。

 恩師であり育ての親である男の娘(※ムスメ、と読みます)アンネロッテといい関係になり、彼女との間には娘が生まれ、出産したことも知らされず家の前に捨てられた。

 そして似たような実の子供がそこいら中にいたが、アンネロッテの策謀により全て殺され、生贄と捧げられた。

 神を殺す剣として造られたが、詳細不明。

 呪いが解けたことでより手がつけられなくなったマダオ。

『差が詰まってきたと思っていたのに引き離されたでござる』とは、セージの言。



 アベル・ブレイドホーム


 愛称アベル。あるいは兄さん。十七歳。

 仇敵フレイムリッパーとの対峙を経て、名家の立ち上げを決意した青年。一回り歳の離れたショタコンと婚約中。

 十五歳で高校卒業の資格を取り、その後は福祉関係の資格も順調に獲得した。結果、ブレイドホーム家は正式な認可保育所として認められた。

 首都の名門大学に飛び級で合格を狙っており、見事成功させる。


 ifアベル


 享年十五歳。

 家を焼失し、家族とも離ればなれになってホームレスとして生活していたところ、偶然にもフレイムリッパーを発見、殺意を抱いてつけ回すも、返り討ちに遭う。

 デス子の介入とセージの行動によって消失した致死の運命。



 マーガレット・ブレイドホーム。


 愛称マギー。あるいは姉さん。十六歳。

 ジオが最初に拾った子供で、それだけにお互いに思うところが強いファザコンさん。

 魔力量が強いものの運動が苦手な少女。

 一念発起して学校通いを目指すものの、慣れない勉強に四苦八苦している。

 一度家族を頼るのをやめて一人暮らしをしたいと思っているが、そのためのお金を家族から捻出してもらっていることを後ろめたく思っている。

 なお、莫大な借金があることは知らされていない。


 ifマギー


 享年十五歳。

 家族と離れ離れになり、幼い妹を養うために身を売って生活をしていた。

 デイトが心の支えであったが、彼女を邪魔だと思うホルストの手によって惨殺される。

 デス子の介入とセージの行動によって消失した致死の運命。


 カイン・ブレイドホーム


 愛称カイン。あるいは次兄さん。十四歳。

 過去にアベルとともにデイトの手によって家族を惨殺、放火されている。その記憶は失われていたが、デイトとの再会によって取り戻している。

 英雄に憧れ、皇剣を目指して鋭意努力中。次期皇剣武闘祭にてギルドに登録、新人戦出場を当面の目標としている。

 最近道場に顔を出すようになった年上のマックスが弟分だったりする。


 ifカイン


 享年十歳。

 実父に憧れるあまり軽い気持ちでカツアゲなどを繰り返したところ、捕縛依頼を受けたケイ・マージネルによって殺される。

 デス子の介入とセージの行動によって消失した致死の運命。



 セルビアンネ・ブレイドホーム


 愛称セルビア。あるいは妹。十歳。

 セージと一緒に拾われたことで双子として育てられた。

 実際にはジェイダス家の跡取り娘で、当主アンネとジオの間に生まれた子供。アンネはアシュレイの娘でもあるため、ブレイドホーム家の血も引いている。

 ただその身を利用しようとする大人から守るため出生は秘匿され、何も知らない他人からはセージやジオと無関係な捨て子として見られることもある。

 騎士養成校に通い、皇剣武闘祭新人戦出場を目指しており、選抜試合でも優勝を果たして決勝大会へのシード権を獲得する。

 身長は148cmにまで成長したが、セージに可愛いと言ってほしいので、大きくなりたいとは思っていない。



 ダスト・ブレイドホーム


 愛称ダスト。あるいは弟。故人。享年四歳。

 実母を早くに亡くし、実父は男手一つでダストを育てようとしたが、ギルドの仕事や育児疲れなどから次第にダストへ暴力を振るうようになった。dustダストはそんな実父がたびたび吐いた暴言であり、彼の本名ではないが、両親が彼につけた名前は知られることはなかった。

 実父がギルドの仕事で命を落とした後、家を出るなと厳命されていたダストはそのままアパートで飢え死にするはずだったが、セージに金銭と精神の面から負荷を与えようとする試練の導きによって街を彷徨うこととなり、行き倒れてブレイドホームの姓を得る。

 その後は人道的な扱いを受けて幸福な時間を過ごすが、もっと家族と楽しい時間を過ごしたいと思い、もっともっと家族と一緒に幸せな時間を過ごしたいと願いながら、死にたくないと苦しみながら、その短い生涯を閉じた。



 シエスタ・トート


 愛称シエスタ。

 ブレイドホーム家にある離れの家を借りている高級官僚さん。役職は監査室室長。汚職とか横領とか公権乱用をすっぱ抜く人。仕事熱心だが根回し不十分でやりすぎて、心臓とか刺されたりするおっちょこちょいな一面がある。

 高学歴で若くして偉い立場を持つエリートさんで、さらには美人さん。

 一回り年の離れた青少年と婚約した真性のショタコン。もっともこれは合法な行いなので、誰に後ろ指を指されるいわれもない。ただショタコンと呼ばれるだけなのである。

 なお金で少女を買うホルストの事は最低のロリコンと軽蔑している。

 セージと契約をし、また深い信仰を抱いている。



 アリンシェス


 愛称アリス。エロフとか安エルフと呼んではいけない。

 エルフの受付嬢。美人なのにお笑い担当になることが多い残念ビッチさん。

 地元(共和国にあるエルフの村)ではクール&ビューティーな戦士で通っていたが、守護都市でそれを信じてくれる人はいない。

 セージとは悪友のような関係だが、バージンを狙ってもいる犯罪者予備軍。



 アレイジェス


 愛称アーレイ。

 この国に派遣されているエルフの代表者で、肩書きは族長代行。アリスの実兄。あんまり出番はない。



 クライス・ベンパー


 セージがギルドに登録した時の指導員。

 ifではセイジェンドの義理の父親でもあった。

 ゴブリン・ロード戦で救出したハンターの女性(21歳)と結婚している。



 ケイ・マージネル


 最年少で皇剣の座に就いた才気あふれる少女。名家当主の孫娘で、血縁上はジオの娘に当たる。

 たくましく強靭な絶壁バストの持ち主。

 ジオのことは尊敬し、目標とする戦士と思ってはいても、父親とは感じていない。たまに話しかける時なんかは緊張からどもる。



 ifケイ


 犯罪者であるカインを殺したことで、報復としてジオに殺された。

 デス子の介入とセージの行動によって消失した致死の運命。



 マリア・オペレア


 女の子にセクハラをするのが趣味のケイの困った師匠。念のために明記しておくと女性である。年齢は29歳と12ヶ月オーバー。

 ジオのことは人間として軽蔑していて、戦士として尊敬し、男としてアレな思いを寄せるツンデレさん。

 そんな気持ちを盛大にゲロって今はブレイドホーム家でゆるく同棲をしている。

 もう一歩踏み出したいような、もうこのままでいいような、そんな気持ちで生活している。



 ラウド・スナイク


 この国における公式最強さん。精霊との契約者である皇剣で、飛翔剣という金食い虫な技を扱う本当に強い人。未だに未婚で子供がおらず、名家当主である弟から月に一度は見合いの話を持ってこられて辟易している。

 ジオとは腐れ縁のライバル関係。断じてホモではない。

 あとギルドに舐めた真似をするやつをシメたりもする。



 スノウ・スナイク


 名家の当主で、耳が早く部下からも慕われ、ついでに浪費家の兄の面倒も見れる内政チートさん。別にジオに思うところはない。

 浪費家の兄に加えて、セージたちの借金の利息分を立て替えているので、最近は金欠気味。

 優しい国を作りたいという点でアベルと理想が共通しているが、共有する気はない。



 クラーラ・シャルマー


 若くして名家の当主となった陰険姫。シャルマー家は多くの被害を被ったので、かつて暴れまわっていたジオにはそれなりに思う所がある。あとシエスタに憧れていて、マギーから憧れられている。

 5章でマギーと交流するはずだったのが、作者の力不足で流れてしまった出番の少ない可哀そうな子。



 カナン・カルム


 守護都市〈ガーディン〉の皇剣で、御年130歳オーバーの生き字引さん。

 寿命はすでに訪れており、精霊から供給される魔力で肉体を保っている半死人。

 自分の技と志を受け継ぐ相手を探し、今回の皇剣武闘祭を最後のチャンスと考えている。



 アルバート・セル(2020.5.29.追加)


 前皇剣武闘祭準優勝者で、自身を破ったケイと、その彼女に打ち勝ったセージに並々ならぬ感情を抱いている。

 母である皇剣アリーシアは過去の皇剣武闘祭においてジオに敗れたうえで皇剣の座を得たことで、偽りの皇剣と揶揄されており、マザコンのアルはそれをそこそこ気にしている。

 6章でそれなりに出番があるのに、人物紹介に書くのを忘れられ、それを指摘された後も何のかんので追加されるのが遅くなった子。



 ホルスト


 変態紳士(変態でなければ有能な紳士の略)。

 クラーラの部下で財務官。クラーラの武力面の後ろ盾がカナンとするなら、内政面の後ろ盾がホルスト。

 政庁都市の皇剣サニアとつながりがあり、ifではマギーを殺し、デイトに殺されている。

 幼い少女に蔑まれながら組み伏したいという真正のHENTAI。

 幼い少年と婚約したシエスタの事をやばいショタコンだと思っている。



 ミルク・タイガ


 商業都市で名家の傍流に生まれ、利発なところと整った外見から本家の脂ぎったおっさんとの縁談が持ち上がり、守護都市に逃げてきた。

 一時期はギルドにも登録していたが、すぐに身をやつして娼婦となり、そこから這い上がったもののジェイダス家に囲われ、さらに紆余曲折あって出奔して商会を立ち上げた。

 シエスタの後ろ盾であり、アベルの協力者。名家の悪政には思う所がある。

 尚、タイガ姓は守護都市に来てから名乗っているもので、本来の姓ではない。



 アール・マージネル


 ケイの実母であり故人であるカレンの兄で、ケイの養父。

 色々と思う所があってジオに喧嘩を売り、セージがとばっちりを受け、気持ちよく負けて、旅に出た。

 学園都市でキャンパスライフを送っているが、もともと騎士将校過程をクリアしているので、卒業までに必要な単位はそれほど多くない。

 精霊感謝祭で娘の様子を見つつ、就職活動をする予定。



 ルヴィア・エルシール


 今生におけるセイジェンドの実母。二十六歳。

 絶世の美女で、幼い頃は国を挙げた四年に一度の精霊感謝祭で行われる美少女コンテストで優勝し、国主の精霊から祝福されたこともある。

 ただその後に駆け落ちして実家の看板に泥を塗っている。

 生粋の引きこもりではあるが、姪にどうしてもと頼まれたからという建前で、セージをひと目見ようと政庁都市にお出かけする。



 デイト・ブレイドホーム


 アシュレイが拾った多くの子供のひとりで、のちに拾われたジオを兄として慕う。

 戦技を極め、セージとは別種のマインドセット〈明鏡止水〉を使いこなし、特に一対一の戦闘では無類の強さを誇る。

 ジオの呪いを解くため精霊直属の皇剣サニアと契約し、人々の絶望を集めるためにその手を汚した。

 ジオの呪いを解いたのち、彼の手でその苛烈な生涯を閉じた。

 かつての守護都市において、強さという点においては最強の双璧に一歩譲るとされたものの、敵に回した時の恐ろしさと、友としたときの頼もしさでは、並ぶ者がいないとされた。


 ifデイト


 本編ではデイトの仲間は人間狩りをする上級の戦士などと戦って命を落としているが、ifでは守護都市の治安が悪いままなので、デイトに任せるそれ以外の仕事は多かった。

 そのため危険度こそ低いものの優先度の高い仕事が任され、その結果仲間が割と生きている。

 マギーの死後はそんな愉快な仲間たちと共にテロリストデビューした。

 サニアは自分で手が下すのを嫌がって皇剣や処刑人を差し向けたが、彼らが返り討ちにあったので仕方なく出向き、デイトの心臓はくり抜かれた。



 精霊エルアリア


 セージたちの住む国の国主。名前を呼ぶことは原則禁止されており、一般的には精霊様と呼ばれている。

 精霊は魂と呼ばれるエーテル結晶体が正常でない生命に宿ったもの、あるいは魂が変質してその質がまっとうな生命を大きく超えたものを指す。

 偽神や亜神、土地神、時には付喪神や妖怪とも呼ばれる。

 アーレイたちエルフが信仰し契約する精霊はエルアリアとは当然別のもので、長い年月信仰を捧げられた大樹が変質したもの。

 エルアリアがもとは何だったかは国内では知られていない。

 スノウ曰く、アホの子。



 至宝の君サニア・A・スナイク


 美少女コンテストこと絢爛祭で優勝し、その後精霊に仕えることとなった、最高位の皇剣。

 精霊と同じく名前を呼ぶことが禁止されているので、至宝の君、皇剣の中の皇剣、性格ブスなどと呼ばれている。

 白髪金眼のアルビノで、人形のように整った容姿をしている。

 エルアリアの憑依体アバター



 アルドレ


 帝国の騎士で魔族で竜騎士で、故人。

 竜がセージを助けるために早出したため、戦う予定が狂った人。

 共感能力者で魔物と友達になれる。

 デイトに処された。



 グローリア


 14歳のワイバーンでアルドレの元相棒の子供で現相棒で、故人。

 空の覇者と呼ばれるワイバーンだが、洞窟暮らしだったせいで空を飛んだ経験がほとんどない。

 それなのに初陣で天使と殺人鬼にエンカウントしてしまった可哀そうな子。



 ラキュリア


 帝国の騎士で魔族で自称吸血鬼で、故人。

 幻術のエキスパートで魔物や敵を洗脳して操ったりもする。

 アルドレのストーカー。

 おっぱいが大きい。

 そのせいではないがケイに処された。



 アシュレイ・ブレイドホーム


 二十八年前に亡くなった故人。

 本名レイン・ブレイザイル。

 東の農業都市出身で小作人の家の一人息子。


 父は酒におぼれて働かずレインに暴力ばかりを振るうろくでなしで、母親はそんな父親に愛想を尽かして若い男を作って逃げ出した。

 レインは幼い頃からそんな父親に言われるがまま田畑を世話し、襲って来るゴブリンと戦って生計を立てた。

 そうすれば父が喜ぶと、愛されると信じて。


 そんなレインの心の支えとなったのは幼馴染のアーシャ・ホートンだった。

 互いに想いを寄せ合う関係だったが、レインが十五歳の時に父親がアーシャを襲う場面を目撃、激高して殴り飛ばす。

 父親にはそこで完全に愛想を尽かしたが、それ以上のことは出来ず、出て行けといって背を向けた。


 父親はその背中に剣を突き立てようとして、アーシャに突き飛ばされ打ち所が悪く死亡する。

 駆け寄ったレインはそれに気づき、アーシャがまだ気づいていないことを察すると、父親の剣をその胸に突き立てた。


 レインは錯乱するアーシャを放って、父親の死体を広場まで引きずった。

 集まってきた村人にこのクソ野郎は俺が殺したと宣言、逃亡した。

 その後は守護都市に逃げ込み、名をアシュレイと変えて生活する。


 それから紆余曲折あった末にアシュレイ・ブレイドホームと名乗るようになってから、彼は一度だけ故郷に戻った。

 そこでアーシャが結婚して幸せな家庭を作っているのを遠くから見届けた後は、村長に多額の寄付を渡し、二度と生まれ故郷に近寄ることはなかった。




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