第22話 真の勇者

 ゴブリンシャーマンを倒した。


<ヒロアキはレベルが15になった! HPが861になった。MPが746になった。攻撃力973、守備力が641、素早さが851になった。職業がすっぴんから、勇者になった>


 ヒロアキ

 レベル:15

 職業:勇者

 HP:861

 MP:746

 攻撃力:973

 守備力:641

 素早さ:851

 スキル:ハーレム、魔法反射マジックリフレクション、強臭覚、強味覚


 レベル10から一気に15に上がった。

 ゴブリンシャーマンは格上の相手で、相当な経験値を持っていた様だ。

 僕は戦いながらレベルが上がっていた様だ。

 何故なら、戦闘中に魔法反射マジックリフレクションを使っていた。

 それにしても、強臭覚、強味覚って何のためのスキルだ?

 おまけみたいについて来たぞ。


「すごーい! ヒロアキ!」


 ゴブリンシャーマンに勝てたのは運みたいなものだろう。

 星形のあざはその証拠に消えていた。


 この世界にはこんな神話がある。


『魔王が現れる時、同時にそれを倒す勇者も現れる。その勇者の左胸には救世主の証である星形のあざがある』


 確かに僕の左胸には星形のあざがあった。

 だが、それはすぐに消えた。

 何故か、ピンチになると浮かび上がる。

 勇者という職業の者は1000人に一人しか生まれない。

 この世界にいる人口は10万人らしいので100人しかいない計算になる。

 その中のたった一人だけが真の勇者で神話の通り魔王を倒す。

 僕は中途半端な勇者なのだろう。

 だから、星形のあざが現れては消えるのではないか?


「シィダはヒロアキが真の勇者だと思うよ」

「え?」

「だって、シィダを守ってくれたもん」

「だけど、あざが消えたよ」

「……それは、まだヒロアキが成長途中だからだよ」


 これから魔王の刺客が次々と現れるだろう。

 僕はシィダを守り切れるのだろうか。

 僕が真の勇者だとしたら早く、それにならなければ。


「ヒロアキ……」

「あ、うん」


 ベスとミサキの墓を作らなきゃ。



 その後も貧乏領地には、魔王の刺客が送り込まれた。

 僕はシィダを守った。

 そのたびに星形のあざが光り、僕に奇跡を起こした。

 僕は強くなっていった。

 孤児院も発展し、遂には収益化する様になっていた。

 

つづく

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