006  リギウンvs元勇者





突如として現れた3体の魔物は凄まじいオーラを放っている……


『グレイネル、リギウン、メチカライトだ……やばいぞ、緊急事態だ!』


ブラックパラディン先輩が小刻みに震えながら呟く。


3体のうちの一人が口を開いた。


『魔王!!貴様に復讐しにきた。今の我等3体の力は今の貴様に匹敵する力だ!

出てこい!くだらぬ思想を持つ貴様を滅ぼしに来た!』


奥からゆっくりと魔王が出てきた。


『リギウン……貴様ァいつからそんなに偉くなったァ?俺に背き、牙をむくということはどういうことか……わかってんだろうなぁぁあアアアアアア!!』



魔王の体から凄まじい魔力の波動が伝わる……さすが魔王だ。他の魔物とは比べ物にならない。


……だが、3体の魔物は全く動じていない。


『わかったから来ている。俺たちが抜けた今、貴様を護るものはいない。覚悟しろ魔王……伝説は俺たちがつくりだすッッッッ!!」



3体の魔物が一斉に魔王におそいかかる――


「キィィィッィィンッッッッッ!!」


『誰だ貴様ら。魔王を護るのか……?』


そこには”クロキワイド”、”ゼローグ”、そして俺(ブラックパラディン)が

間に割って入っていた。


『俺たちは魔王様をいかなるときでも護る使命があるッ!絶対に通さない」


クロキワイドが険しい目つきで言い返す。


『いいだろう……邪魔者は排除するまでだ。リギウン、メチカライト、やっちまうぞ。』


俺はどうやら”リギウン”とやらと戦うことになったようだ。




        ◆



『ケッケッケ、ここなら心おきなく戦えるだろォオ?異様なオーラを放つブラックパラディンさんよォオ」


「あぁ、俺は元勇者のバロウだ!!魔王様は絶対に倒させない。……というか、なぜ王様に復讐をするんだ?」


『そういうのは、勝ってから聞くんだなァァァアア!!』


リギウンが勢いよくこちらに向かって来る……!


「直前で消えた!?」


稲妻のように早い動きで目で追うことができない。


「「ドゴォォォオッッッ!!」」


突然後ろから強烈なパンチをくらう。俺はよろけて倒れ込む……



『ケッケッケ、もう終わりかァァア??俺はとんだハズレを引いちまったなァ。』


リギウンが右手を上空に向け、凄まじいエネルギー弾をつくりだす……!



『『『ギガサンダーゼロボルトォォォォォオオオ!!!』』』



俺はエネルギー弾が飛んでくるコンマ何秒の間に走馬灯のようにこれまでの出来事を思い出した。






「………こんなとこで、死んでたまるかってんだぁあぁああああああ!!」



おれの心のなかに潜む、”憤怒” ”憎悪”が膨れ上がる……!



「「「「デスエターナルパ二ッッシャァァァァァアアアア!!!」」」」


内に秘める心が新たな技を作り出した……!!



リギウンが放ったエネルギー弾と、俺の放ったエネルギー弾がぶつかり合い相殺する……!


辺りには凄まじい風と砂埃が巻き起こる!!



「「「 ズバァァァァアアアッッッッ!!! 」」」



俺は砂埃に混じって間合いに入り込み、リギウンの体に強烈な一太刀を刻み込んだ。



『……クックックッ………クハハハハハ!!面白いィィ!楽しいぃィィイイ!!』



リギウンに強烈な一撃をくらわせたはずが何も変化がない……?!



『バロウ!!もっと楽しもうぜェェェエエエエエ!!!』



この魔物は確実に今までとは段違いの強さだ……



―――――――――――――――――――――――――――

リギウン 年齢不詳 レベル120


殺戮の稲妻を操る、魔王の手下でもトップを誇る魔物である。

リギウンの稲妻は人間にふれると一週間は痺れが残るという……


相当な戦い好きである。





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