魔物の復讐編

005  俺はかなりキーポイントらしい




意識が朦朧もうろうとする中である会話が耳に入る。



『……シャイニングブレードがどこかで発見されたらしい……』



衝撃の会話に俺は驚きを隠せなかったが、魔王様に早く伝えなければと

急いで足を運ぶ。




              ◆




「シャイニングブレードが!どこかで発見されたそうです!魔王様!」


俺は帰って真っ先にそのことを報告した。


『フッハッハッハ……面白い。シャイニングブレードを持つ勇者に勝ってこそ真の

最強魔王と言えるだろう』



どうやら魔王はそんなことでは動じないようだ。やはり魔王としての貫禄が違う。

 

『ふむゥ……、いい情報が手に入った。でかしたぞ貴様ァ……』


やはり魔王様に褒められると気持ちが良い。たとえ、シャイニングブレードを持った勇者が来ても俺がお護りする……そう、再び誓う。





             ◆






突然、魔王に招集された。大きな広場に魔物が大量に集合していた。


魔王が口を開く。


『貴様らに大事なはなしがある!よくきいておけェ。””が勢力を拡大しているらしい……いつ我らに復讐してくるかわからん。だが、相当被害は多いだろう。

気を引き締めて行くようになァ!!』


『うぅぅおおおおおおおおおおおおおおおおおぃぃぃ!!』


魔物たちが歓声を上げる。やはり魔王は手下を従える力があるようだ。しかし

”例のアイツ”という言葉だけが謎だった。







「ダークパラディン先輩!”例のアイツ”っていうのは誰のことなんですか?」


先輩が重い口を開く……

 

『今から半年くらい前だったかな……私達、魔王の一味にはもう少し仲間がいたのだ。  一人は魔王様の元側近、地獄の業火を操る”グレイネル”。  そして魔王様の右腕とも呼ばれていた、殺戮さつりくの雷撃を操る”リギウン”。  そして、魔王様の左手と呼ばれていた、戦慄の蒼氷を操る”メチカライト”。この三体の魔物が私達、魔王の一味を支えていたんだ』



「その人達がどうかしたんですか?」



『あぁ、一味を退したんだ。魔王様との意見の食い違いでな……

だから、今私達はとても危険な状況にあるのだ』


「で、でも魔王様がいるから大丈夫なんじゃ……?」



『いや、唯一危険な場合がある。それは……



確かに三体の魔物の相手をしながら勇者の相手をするのは大変だろう……



『あぁ……だからお前は最大の ”キーポイント” になるだろうな』


どうやらまた重役を任されたらしい。


「で、でも俺たち魔王の一味には強い魔物はいるんですよね!?」


『あぁ、いるにはいる。だが ”グレイネル”、 ”リギウン” 、”メチカライト”

を超える魔王の手下は多分いないだろうな……今、まともに戦える可能性があるのは

疾風を自在に操る”クロキワイド。漆黒の闇を操る”ゼローク”。くらいかもしれない。』



こんな裏側があったとは知るよしもなかった……こんなに困窮していたとは……


「………絶対におれが護ってみせる……」


『ん?』


「魔王様は俺が絶対に護る!!絶対に死なせないッッッッ!!!」」


『で、でもお前は人間だ。死んだら終わりだぞ? 魔物なら話は別だが!』


「関係ないですよ。俺は魔王様の側近なんで……本来ならなかった命を救ってもらったんだ、それがただ魔王だっただけだ。おれは魔王様のためなら命を賭ける!!」




「「「「「ドッッッゴォオオオオオオオンンン!!!」」」」」




凄まじい爆音と爆風で強い衝撃を感じた。




………どうやら緊急事態が起きたようだ。

爆音が聞こえた方向には、異様なオーラを放つが立っていた。

先輩を見ると小刻みに震えている。




『お、おい……嘘、だろ? こんなに早く、来んのかよ……?』



「あれ、知ってる人なんですか?」







『あれが、”グレイネル” ”リギウン” ”メチカライト”だ……』






どうやら今から凄まじい大戦が始まろうとしている――



――――――――――――――――――――――――――――

グレイネル  年齢不詳 レベル125


地獄の業火を操る、魔王の手下の中でも最強の魔物である。

グレイネルが放出する ”炎” はどんな物体をも焼き焦がす!!


魔王と確執があるのかもしれない……?















  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る