第25話洞窟
「なあ、マリユドゥ…。」
「なあに?マリに何か用?タイ♪」
マリユドゥは、名前を省略するのが常だ。何故だろうか。頭の中で、魚がピチピチと跳ねている映像が再生された。
「俺らの出番がない気がするぜ…。」
「確かに!前は、いっぱい任務があったのになあ…。」
「稽古でもしないか…?今よりもっと強くなれば…出番が増えるかもしれん…!」
「おお♪いいね♪しようしよう♪」
「それとだな…俺とマリユドゥのあわせ技とか作ろうぜ…!」
「いいねいいね♪」
「例えば、俺の
「マリとタイのあわせ技かあ…!楽しみー♪」
悲報!ハリエットとロイジとエリックのレベルの差は縮まることは無く、逆に広がりつつあった。
「くそおっ!」
エリックは、岩の壁を叩いた。
案の定、エリックは拳をおさえ、涙目になりながら、うずくまることになった。
物に当たるのは、エリックの昔からの癖であった。否、物だけではない。人にも当たっていた。俗に言う、八つ当たりである。
「何でこんな時に…!こんな時に…!女が居ないんだよッ!!男を癒やすのが役目だろうがッ!何で勇者パーティに一人も居ないんだよッ!」
それは、王のせいなのだが、エリックは、それを知る由もなかった。
ハリエットは実は起きていた。当然、エリックの怒鳴り声も聞いていた。そして、こう思った。勇者パーティに女性が居なくて良かった、と。
実はロイジも起きていた。ハリエットとエリックには気づかれていないが…。当然、エリックの怒鳴り声も聞いていた。我の至高の一時を邪魔するでない!と思いながら。が、エリックがパーティに女性が居ないことを嘆いている時、ロイジは頭の中でこう考えていた。憐れなやつよ…!心が
「折角だから、魔王城から出て練習しよ♪」
「ああ…!そうしよう…!洞窟とかどうだ…?」
今、提案しているのは、タイタンのお気に入りの場所だ。彼が子供の頃、秘密基地をつくった場所だ。
「いいねー♪」
「マリユドゥ…。じゃあ、俺の背に乗ってくれ…直ぐにでも出発する…。」
「やったぁ~♪タイの背中の上だあ♪」
「しっかり掴まっておいてくれ…。」
「了解♪」
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「タイってスゴいよね♪ドラゴンに成れるし♪」
「竜人族だからな…。」
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