第21話形を持った〇〇

段々と形を持った恐怖が近づいてくる。その目は獲物を見つけたからか、ギラギラしている。

『狙った獲物は逃がさない』。その言葉は、この怪物の為にあるようなものである。この怪物に狙われた憐れな獲物は、もう逃げるすべはない。

だが、この怪物に狙われた獲物は、幸い、殺されることはない。「殺されることはない」というのは、語弊があるだろうか。確かに、死ぬことはない。肉体的には。精神が壊れることが稀にある。

狙われた獲物は、生気を吸い取られたように倒れ、発見されるのが常だ。

形を持った恐怖は行く。今日の獲物、ラクカジャのもとへ。

「うふふー❕❕」

上機嫌にスキップをしながら。

当然、この怪物…もとい…ミシェーラは、自分が恐怖されているとは露ほども思っていない。


段々と形を持った死が近づいてくる。その目は獲物を見つけたからかギラギラしている。

『狙った獲物は逃がさない』。その言葉は、この魔物の為にあるようなものである。この魔物に狙われた憐れな獲物は、もう逃げるすべはない。

だが、この魔物は、幸い、森の魔物全てを喰らい尽くすほど食欲旺盛ではない。むしろ、少食だ。

この魔物は普段、眠っている。1年に2度眠りから目覚め、魔物を2〜5体喰らい、その後、また、眠りにつく。その為、森の魔物が減るといっても、多くて10体だ。

先程、この魔物は「少食」だと言った。だが、厳密に言えば違う。この魔物は本来、食欲旺盛なのだ。森の魔物を喰らい尽くすくらいに。

この魔物が森の魔物を喰らい尽くし、捕食対象が人間に移ることを危惧した人間が居た。その人間は、森を囲むように結界をはり、食欲旺盛だった魔物が森から外に出られないようにした。そのうえで、食欲旺盛な魔物に呪いをかけた。獲物をあまり食べられなくする呪いだ。


「クククッ!生け贄として捧げられし肉よ。我が血肉となれ!!」

「🍖(^Q^)」

ロイジとハリエットは、食事をしていた。あの後、村長に王国の者だと知られた。

そして、村から追い出され、野宿する羽目になったのだ。

魔物の丸焼きを食べていた。

「おお…!力が漲るぞ!!」

「(๑´ڡ`๑)」

が、視線を感じた。獲物に襲いかかるタイミングを伺うような視線。

茂みからナイトベアが現れた。涎を垂らしながら。

「グガアアアア!」

「フハハハハ!愚かな…!今、我の右腕に封印されし漆黒の力を解放しよう!はあ!」

「グギャアア!………。」

ナイトベアは倒れた。ロイジの闇魔法で。ちゃんと右手から出ていた。

「見たか!我の力を!」

「(✯ᴗ✯)」

「我は禊の儀をしてくる。我に穢れが蓄積されてしまったようだ。」

「(^O^)/」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る