第17話悪夢

王宮にて

「なんじゃとおおおお!?」

国王の声だけが響き渡っていた。

「ソムニ村の監視役が殺害されました。」

「魔王軍か?」

「おそらく違うと思われます。冒険者かと。魔王軍の領地は、遥か遠くにあります。」

「冒険者までもがわしに逆らうのか…!

見つけ次第、始末せい!」

「御意。」


『アリシアを、返せ…!カレンを、返せ…!』

『何処にやった…!何処にやった…!』

『返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ…!』

『許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない…!』

『殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す…!』

「うぐむむむう…!

王は、汗びっしょりだった。

「はっ…!夢か…。いや、…待てよ…!」

王の頭は、ある予想をした。

「まさか…!」


「ハバネロ…お主を呼んだのは、他でもない、ソムニ村のことについてじゃ。」

「はっ!」

「ソムニ村の監視役が何者かに殺害されたのは、知っておるな?」

「もちろんです!」

「その何者かに心当たりがあるのじゃ。」

「それは、…?」

「アベルかも知れぬ。ラム村へ進軍させた。」

「まさか…?」

「ああ…。そうじゃ。わしは、アレの家族を娼婦にしたり、殺したり、売ったりした。」

「まさか、アベル殿が悪霊と化していると…?」

「その通りじゃ!わしは、恐ろしい夢を見た。あやつはわしを恨んどる。」


「ソムニ村で王国からの監視役が冒険者に殺されたらしいです。」

グリンダが報告する。

「「「「「「ええー!!」」」」」」

その場に居た者は、驚愕した。ただ一人を除いては。

「ああ、…そうじゃ…!妾は、ここへ来る途中、何処かの村でな、不届き者が居ったからの…屠ったぞ…!」

「え、え…?じゃあ、これしたのラクカジャなの?」

「ああーん❕ラクカジャさあん❕強くて美人だなんてぇー❕❕この後、私の部屋に来ませんかー❔」

「ラクカジャスゴイ…。マリモシタカッタ…。」

大方、ラクカジャを称賛する声で間違いないらしい。一人、意味深な発言してる者が居るが気にしないでおこう。

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