第15話『闇の従者』

魔王城には、『闇の従者』が集結していた。正確に言うならば、6人中5人集まって居た。まあ、予定の時間の5分前のため、残りの一人は、遅れたわけではないのだけれど。

「集まってくださり、感謝します。」

と、サーシャが言ったところで、残りの一人が部屋に入って来た。

「馳せ参じました。魔王様。」

恭しく頭を垂れる美女。フィーナ。スライム族であり、姿は自由自在に変えられるらしい。

彼女が礼儀正しいせいか、部屋が厳かな雰囲気に包まれる。が、その雰囲気をやすやすとやぶる者が一人居た。

「きゃあー❕❕フィーナさんですー❕」

そう言ってフィーナに抱きつく。が、そこは大人の対応。フィーナは、しれっと躱し、迫ってくるミシェーラモンスターの後頭部にしれっとエルボーを打ち込んだ。ミシェーラは、気を失い、大人しくなる。

「改めて、魔王様に忠誠を誓います。」

何事も無かったかのように振る舞うフィーナに、ラージャは驚きを隠せない。が、二人を除く『闇の従者』とサーシャは、まるでいつもの事のように平然としていた。ただ、グリンダだけは、救世主が現れた!というような顔をしていた。

「はあ…。妾の前で、全く無礼な奴よの…。」

そう呟いたのは、3人目の『闇の従者』、ラクカジャであった。アルの母親であり、吸血鬼の王である。ちなみに、夫は死去している。誤って、彼女の血に触れてしまったらしい。

「まあ、それはともかく妾は、魔王にもう一度仕えるぞ。妾が居れば、魔王軍は必勝じゃろうて。」

一人一人挨拶していった。


●『闇の従者』紹介

1ラクカジャ…吸血鬼♀

       主語:妾

2ミシェーラ…サキュバス♀

       主語:わたし

3フィーナ…スライム♀&♂

      わたくし

4オリヴェイラ…悪魔♀

        主語:わたくし

5マリユドゥ…妖狐♀

       主語:マリ

6タイタン…ドラゴン♂

      主語:俺


●おまけ

魔王サーシャ…魔王♀

       主語:わたくし

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