第13話王国の悪事

言葉と共に剣が振りおろされた。

が、その剣が村長に切り刻むことはなかった。

何者かによって受け止められたのだ。

「誰だ!テメエ!」

「………。」

何も言わず、監視役を蹂躪する。剣の腕は、監視役を遥かに上回っていた。監視役はついに彼の剣を受け止めきれずにはるか後方に飛ばされた。

「うわぁーー!!ぐっ!」

その姿、満身創痍と言っても過言でないほど切り刻まれていた。監視役は、圧倒的な力の差を見た。死を予感した。よって、命乞いをすることにした。

「お、お願いだ!命だけは!命だけは!」

「………うるさい。」

初めて口を開いた彼によって剣は振りおろされた。

グシャッ。

「………。」

もう何も言わなくなった監視役。

助けられた村長までもが恐怖に口を開けない。だが、違う。監視役は、物言わぬ屍となったから口を開けないのだ。


変にやつれた顔でグリンダが報告する。まるで生気を吸われたかのようだ。

「報告…します…。ミシェーラは…もう来ましたが…他の元幹部は…数日後…着く予定…らしいです。」

「あらー❔皆さん、まだだったんですかあー❕❔私てっきり来てるのかと思っちゃいましたよぉー❕」

反対にミシェーラは、お肌すべっすべで若返ったかのようだった。

「数日後、ですか…。」

サーシャも心なしか元気がない。

例外なくラージャもだ。

(「ああーん❕可愛い女の子が増えてますー

❕❕」と言って抱きつかれた。逃げる隙もなかった。)

「皆さんがいないということは…❕」

なんて、悪い顔をしているミシェーラが居て、幹部が集まるまで全員生きているのか事態怪しくなっていた。


「魔王が復活していたじゃと…!!それは本当のことか、アレン!?」

「間違いありません!」

「新たな(男の)勇者を召喚せねば…!生け贄1000人連れてくるのじゃ!!」

ふんっ!王国のための生け贄となるなど、これ以上の幸福はないぞ!皆、喜ぶだろう!

「只今…!」

アレンは、奴隷を連れて来た。そして、魔法陣の中に入らせる。

「この中に入れば、される!さあ、入れ入れ!早いもん勝ちだぞ!!」

奴隷は、押し合いへし合い、競い合って魔法陣の中に入った。

全員入ったのを確認し、アレンは呪文を唱える。

「■■■!」

すると、魔法陣が輝き出した。が、その光は漆黒。何かおかしいと気づいた奴隷達は外に出ようとする。が、何かに阻まれ、それは叶わなかった。そのうち一人が叫んだ。

「騙したのかああああ!!!」

「騙してなどいないさ!君達はされた。永遠にだ。命というものに縛られることはない!人生というものに縛られることはない!フハハハハッ!!!!」


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