第10話アリシア

「アベルが死んだだと…!?」

まずい。ラム村は『王国の食糧庫』だというのに…!これでは、国内で反乱が起きる…!今年は凶作なのだ…!

「いかが致しましょうか…?」

「アベルは役立たずだ!その家族をここへ連れて来い…!!」


「死んだ…?えっ?なんか弱くない?」

「王国軍は、私が勇者となってから、任務を私に押し付け、訓練もロクにしなくなったからね。」

王国軍は、任務をしなくとも、給料は貰えていた。ラージャに丸投げしていたにも関わらず、自分達の手柄とした。本当に醜い。

「ねぇねぇ!この人達、アタシにちょーだい!アタシが食べるわ!」

「いいよ。」

アルは吸血姫。吸血鬼の姫だ。兵士達が弱かったとはいえ、流石にお腹が空いたのだろう。

「やったぁ!」

いそいそと食事をするアルを横目に、先程殺した男を見やる。きっと、王国に無理矢理従わされていたのであろう。死ぬことも分かっていたのだろう。殺されるというのに、この男だけは、恐怖しなかった。死ぬ覚悟はできていたようだった。


「何の御用でしょうか…?」

アリシアは、王宮に連れてこられた。途中までは、カレンやお義母さんと一緒だったのだが、別室に連れてこられた。

「まあ、まずは、これでも飲んで落ち着いてください。話しますから。」

「はい…。ありがとうございます…。」

アリシアは、飲み物に口をつけた。

「貴方の夫、アベル様についてです。ラム村ヘ出陣されたアベル様が、亡くなられました。」

それを聞いたアリシアの目から涙が…溢れなかった。熱い、頭がボーッとする。体が火照る。

「効いてきたようですね。」

「私にっ、何を…!」

それには答えず、男は、アリシアの服を脱がせる。

アリシアは、意識を手放した。


アリシアは目を覚まし、此処が何処なのか確認しようとする。が、体が動かなかった。拘束されている。

「目覚めたか…。」

どこの誰だか分からない男が目の前に居た。そして、アリシアの体に触れると…。

「何をするので…ンッ…!」

唇を奪われる。嫌なのに、嫌で嫌で仕方がないのに、アリシアの体は、アリシアの心を無視するかの様に動く。

やっと唇を離されたが、唾液がお互いの唇を繫ぐ。

次は、胸を揉みしだかれる。

「ンッ…!はっ、アンッ…!」

「ほう…!中々の女だ。感度が良いな。」

胸の頂きを口に含まれると堪らない快感が体中を駆け巡る。あまりの快感に蜜が垂れてしまう。それを知った男は容赦なく秘密の花園を弄ぶ。

「ひゃんっ、アンッ、あっうぅん…!」

アリシアは、何度も何度も絶頂に達する。

何度も何度も…。アベルのことを忘れるくらいに…。

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