第7話ラム村が魔王領に

「何とか交渉で魔王領にできたね。」

「はい。犠牲者がでなくて良かったです。」

どうやら、ラム村は王国に随分と苦しめられていたらしい。村長は快諾していた。

「でも、いつ王国が取り返しに来るか分からない。兵は置いておかないと。」

「そうですね。しかし、今の魔王軍には難しいです。私もこの村に兵を置きたいと思ったのですが…、兵が足りません…。」

サーシャは顔を曇らせる。

ラージャが慰めようとした時。

「アハハ!!何だかオモシロ〜イ話をしてるね!ちょっと、アタシも混ぜてよー!」

何処からか声がしたのである。

「?」

ラージャ達の目の前の時空が歪み、その綺麗な黒髪をたなびかせながら少女が現れた。

「アル、ですか?」

「キャハハ!そうだよ〜!アタシがここに残って、村を守るよ〜!」

「ありがとうございます。」

「ん?そこにいる女の子は誰かな〜?何処かで見たことあるかも〜!」

「私は、元・勇者のラージャだ。」

「ラージャかぁ〜!いい名前!アタシはアルだよ!ヨロシクね〜!」

元・勇者だってこと気にならないのかな?

「私、元・勇者でサーシャを1度倒したんだよ?気にならないの?」

ラージャが聞くと、アルは、可愛らしく小首を傾げながら言った。

「ん〜?だって、今は味方でしょー?」

「そ、そうなんだけど…。」

恨みとか無いのかな?

「恨みなんて無いよー?」

心を読まれた!?

「あははっ!アタシ、心読めるんだー。スゴイ?って、痛〜い!」

グリンダがアルの耳を引っ張っている。

「アル!今は、そんな話してる場合じゃないよ…!サーシャ様、大変なことになりました!」

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