第2話裏切られた勇者

「これは、せめてもの、王様からのお慈悲です。」

部屋に、下品極まりない笑みを浮かべた男達が入ってくる。

「何のつもり?」

最悪の想像が脳裏をよぎる。

「王様からのお慈悲で、貴方は、最後に女の喜びを感じることを許されたのです。」

勇者は絶望した。

この国ではの為に使われるということが女の喜びとされている。

下卑た笑みを浮かべた男達が近づいてくる。

「来ないで!!」

目に劣情をともした男達にはそんな声も届かず。

勇者は、服を剥ぎ取られた。

そして、女としての尊厳を踏みにじられようとした時、彼女の心は絶望で埋め尽くされた。

瞬間。


王は、安堵していた。やっと邪魔者を排除できるからである。

魔王が居た時は、例え勇者が女でも気にしていられなかった。が、今は違う。魔王亡き今、世界を救ったのは男ということにせねばならん。女性の地位が上がっては困る。女性の地位が上がれば、男の地位、すなわち、王である我の地位が危なくなる。これまでは、王の地位を男が占めてきたが、女性の能力が認められれば、女性の王が誕生することになりかねん。が王になることだけは避けたい。

勇者は、スカサハということにせねば。

幸い、勇者は、こちらを味方と認識していたようだ。のうのうとスカサハについていった。

王はあれこれ考えていた。

瞬間。

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