第4話 神的ドメスティック
「私、神様です!!えへへ」
「・・・」
思考停止中
・・・
「間に合ってます」
なんとか絞り出す言葉はこんなもんだった
勘弁してくれよ、僕いま寝起きなんだよ
「ちょっと、なんでそんなザッツに扱うんですか??」
眠いんだよ、それでなくても今日は考えることが多かったんだから
そのうえ、雑をザッツって言ってくるような奴にかまってやれるか
「ありゃりゃ、それは残念です。しょんぼりです。・・でもでも!帰るわけにはいきません、じゃないと上司に怒られちゃいます!」
怒られてください
「いやです!!」
なんで
「めちゃくちゃ怖いからです!殴ったり蹴られちゃいます!」
すげーブラック、聞きたくなかったな
「お!同情してくれますか!金をください」
結構切実な願いじゃん
なんとなく面白そうなことが起こる予感がしたんでソファに座らせてお茶を出した
「あぅ!アツいですぅ!・・ふーー、ふーー・・・わぁ美味しいです!人間界のお茶も捨てたもんじゃないですね!」
「粗茶ですが」
「そんな!ご謙遜を~」
JKに出したのと同じやつなんだけどな
天界のお茶はまっずいのか、JKは暮らせないだろうな
「それであなたはどういう用事でわざわざ人間界に来たんですか?」
「あっ!そうですそうです、私ったらうっかり忘れていました」
そういうと神は持っていた黒いサラリーマンバックから資料を取り出して机に広げる
「本来家の人たちが寝静まってるときに勝手にすることなんですけど、気づかれちゃったので今回は特別に説明しちゃいます!」(むん)
いや、胸の前でこぶし握られても
とりあえず差し出された資料に目をとおす、なになに
「天使派遣サービス?」
「えぇそうです、近頃、我々の敵であり人間の敵でもある地獄の者たちが嘆かわしいことに人間界に入ってきちゃってるのです!これは一大事です!ですから神である我々が人間を救うためにこうやって人間の家一つ一つ周って天使派遣サービスに加入させているんです」
ほげぇ、そりゃあご苦労なこった、それでこのサービスに加入するとどうなるの?
「そりゃもちろんこの家に天使が来ます!」
いや、まあ、そうだろうけど、そのあとの事を
「あーなるほど!大丈夫ですよ!天使は一家に一人ですし、見えないようになっているので気づきません!」
いや、そういうことでもないんだけど、まあいいか
んで、その地獄の者たちがこの家に来たらどうするんだい
「その時は見つけ次第私達が通報受けてボコボコにしに行きます!」
ボコボコですか
「はい!コテンパンです!」
この神様目が本気だった
今日の今日でなんてバットタイミングなんだ。
こんなもんをうちと契約をしたら僕も逃亡生活をしなければならないじゃないか、なんとかして帰ってもらわねば
僕は悟らせないように、あたかも入るかどうかを検討するかのように神に帰ってもらう方法を考え始めた。
とりあえず世間話で場をつなごう
「なるほど~これは魅力的なサービスだ~」
「そうでしょう!わが社としてもぜひおすすめしたいサービスです!」
「でも、お高いんでしょう」
「はい!かなり高いです!月額2万4000円ですね」
「たけーよ、まじでたけーじゃん、今時携帯会社だってもっと安いぞ」
思わず身をのりだす
でも神はその反応は予測済みだとでも言いたいように、にんまりと笑顔をつくる
「いやでも考えてくださいよ!月額たったのこれだけで一生安全に暮らせるんですよ!それに死後のアフターケアもバッチりです!」
いうほどうれしくねー
これは値段設定でごねるか
・・・・・いや、ちょっと待てよ
「あはは~、、、で、いつまでうちに居座るつもりですか?」
「・・・・・・・・・・え?」
神は急に冷静になった僕にキョトンとする
「いや、こんな意味の分からない話にいつまでもつきあってあげられないんですよ、そろそろ深夜2時ですよ?というかあなた一体どこから入ってきたんですか?」
「・・・・・・え?え?・・???えーっと、ですから私は神であなた方を救いに」
もともと感情の起伏が大きいタイプなのだろう、神はものすごくうろたえていた。
僕は身の回りに吸血鬼がいたからすんなり神の存在を受け入れたけれど冷静に考えてみたら普通の人間は家に変な女が立っていたら追い出すものだろう
というかこんなことを考え付く自分がすごく嫌になる。でもこっちも匿うと言ってしまった手前こんなサービスを受け入れるのは死活問題になる
神様には悪いけれどこのまま押し切らせてもらおう
「だーかーらー、いい加減にしてくれないと警察を呼びますよ」
慣れない怒鳴りを悟らせないようにお茶を口に含んだ後少しだけ強くコップを机に置いた
「ㇶッ!」
それに対し神は小さく悲鳴を上げ
僕はそれはもう、尋常じゃほど申し訳なく思った。彼女は悪人ではないのだから
「え?あ、、、、うぅ、、、」
完全に縮こまっている
罪悪感がぼくを襲う
不意に神様はゆっくりと立ち上がり、玄関に向かって歩き始めた
僕もそれに続く
やがて玄関をあけて外に出た神様は振り返り僕を見据える
その顔はこれまで見たことがないひどい顔だった
「そうですよね、(迷惑)ですもんね、そうですよね、あはは、いいんです気にしないでください、私昔からおかしいって言われてきたんですから慣れてます、平気です。今日のところは帰らせていただきます。怖がらせてしまって申し訳ないです、でも、信じてください私は決して悪人ではないんです、、、、、」
それじゃあ、そう言って神は闇に消えていった
ここで神に正直に事情を話せばきっと二人は危険にさらされるだろう、いやもしかしたらJKと神が衝突してもっとひどいことになるかもしれない、これでいいんだ。傷つける役目は僕だけで
「なーーーんて思ってないですか?」
「ッ!」
細く温かい手が僕の頭をつかんで固定する
「いやー急に冷静になってそれっぽいこと言ってくるんですもん、私面食らっちゃいました」
いつの間にか背後に立っているそれは僕の背中に冷たい銃を突きつける、おそらく銀の弾丸だろう
「神をなめてもらっては困りますよ、目星をつけてこっちはやってるんですから」
先ほどまでの幼い笑い方とは一転けらけらと笑い始める
「話し合いじゃ、だめですか」
なんとか時間稼ぎを試みる
「んふふーいいですね~私話し合い大好きです!特に相手が動かなくなった後に話しかけるのが大好きなんです!」
だめだ、思いのほか重いやつが派遣されてる
絶対絶命
次回作にご期待ください
はぁ、あきらめるか
「神の方々にはわからにかもしれませんが僕らにも事情があるんです、ここはひとつ見逃してはもらえませんかね」
「ダ・メ・です!」
「お金をあげます」
「いりません♡」
「奴隷になります」
「絶対にやめてください」
「男を紹介します」
「え、マジ?」
それでいいのかお前は
「言ったな?ぜってぇ紹介しろよ?」
急にキャラを変えすぎなんだよなぁ
僕はすかさず黛と木刀と佐々木の電話番号のメモを渡す
「あなたのような地獄の住人に私は今日会っていません」
「ぼくも神とは会っていません、あと二度と来ないように言っといてください」
「それは無理です」
クラス全員分の電話番号をちらつかせる
「報告書を改ざんしておきます」
その後神様はうっきうきで天界に帰っていった
これでうちにいる限りは安全ということだ
そう思い今日のことはきっぱり忘れて家に鍵をかけた。
今日からはもう二度と神には祈らない
神と悪魔と美少女と 覚えやすい名前 @daigodaisuki007
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