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「天野ってさ、しすこん?だよねー」

「……は?」


 学校。クラスメイトに唐突にそう告げられた風太は、鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしていた。


「いや、シスコンって。……は?」


 風太も中学校に上がったことにより、香月と一緒に過ごす時間は減った。シスコンの誹りを受ける筋合いはないはず……である。


「何を見てそう思ったか言ってみろ」

「答えさせていただきます! ですから、顔から手を放してください!」


 不届き者への制裁アイアンクローを一先ずやめ話を聞く体制になったところで、香月の友人がクラスへと慌ただしく入ってくる。


「あ、弟くん! へるぷ~~!!」


 姉の友人に気付いた風太は、面倒くさいといった表情を崩さない。

しかし、無視をするつもりはないようで。


「……今度は何の問題を起こしたんだ」

「上級生が下級生を恐喝してる現場を見たらしくて――」


「…………」


 香月のフォローに行くつもりらしい風太に、制裁を受けたクラスメイトは溜息をつく。


「……そういうところがシスコンなんだよな」


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