第16話 女子会
ある日の午後、エリーとミクとリリーは、女子だけで食事会をすることになった。今回僕は、来てはダメということで仲間外れだ。現在、彼女たちは、王都にあるロラックス商会が経営するレストラン『フォラン』の個室にいる。ロラックスさんに頼んで、個室を用意してもらったようだ。エリーは、スパゲッティーを注文し、ミクはジャンボステーキ、リリーはサンドウイッチを注文した。
女子会が初めてのエリーは不安そうだ。
「ところでミク。3人でどんな話をするの?」
ミクは楽しそうにしている。
「女だけで集まれば、『恋バナ』に決まっているにゃ。」
いつもは控えめなリリーもノリノリだ。
「恋バナ、恋バナ。」
運ばれてきた料理を3人で、美味しく食べていると、急にミクが話し出す。
「私ね。レイのこと大好きにゃ。ひとめぼれってやつにゃ。マリーお姉ちゃんからレイのこと聞いていたけど、それ以上だったにゃ。2人にも応援して欲しいにゃ。」
突然のミクの告白に焦ったエリーは、思わず大声を出してしまった。
「え~!私もレイ君のことが好きなんだけど。」
「私も、私も。」とリリー。
3人は、お互いに顔を見詰め合った。そして、それぞれから、レイに対する熱い思いが語られた。
「私ね。5歳の時からレイ君のことが好きなの。お城でお披露目会があったんだけど、私は大勢の人がいる場所が苦手だったんだ。けど、レイ君が私を静かな場所に連れ出してくれたの。その時に、レイ君は世界中を旅したいとか言ったから、私も一緒に行きたいって言ったの。」
ミクはその話を聞いて、なぜか納得している。
「へ~。そうか、彼は、エリーにも旅をしたいって言ったにゃ。」
「ミクにも、旅をしたいって言ったの?」
「そうにゃ。私が半分ふざけて、『将来レイ君のお嫁さんにしてね』って言ったにゃ。そうしたら、『まだ将来のことはわからない。それに、僕は旅に出るかもしれない。』とか言っていたにゃ。」
そこで、リリーが的を得た質問をする。
「レイ君、公爵家の次男。なのに旅に出ていいの?」
「本来なら無理ね。公爵家の次男なら、成人した際には、伯爵家を立ち上げるのが普通だから。でも、彼は、『僕は貴族にならなくてもいい。』って言っていたわよ。」
それを聞いてリリーはもじもじしている。
「ますます、大好き。レイ君。」
3人は食事を食べ終わり、デザートを注文した。エリーはプリンと紅茶、リリーはアイスクリームと果実ジュース、ミクはフルーツパフェと紅茶を注文した。
「私は魔族だから、自己紹介の時にクラスの皆に嫌われるかなって思っていたの。でも、レイ君が助けてくれた。あの時からレイ君は、私の憧れになった。でも、私は魔族だから、きっと相手にしてもらえない。」
「私だって、獣人族にゃ。でも、私はあきらめないにゃ。」
「レイ君って、種族とか気にしないんじゃないかな?それに、レイ君って不思議なのよ。」
リリーが気になって聞いた。
「何が不思議なの?」
エリーがローザから聞いた話を2人にした。
「ローザさんに聞いたんだけど、彼ね、もともと金髪だったんだって。」
「え~!」
ミクもリリーも目を大きく見開いて驚いた。
「レイ君が5歳の時、教会に行ったら、神様達の石像が光って、気付いたら今の銀髪になっていたらしいよ。」
「レイ君って『神様の使徒』なのかな?」
「レイが『神様の使徒』かどうかはわからないにゃ。でも神様に愛されているのは間違いないにゃ。だって、いろいろ規格外にゃ。」
「話にはまだ続きがあって、その教会の帰りに突然、公爵様に『僕は旅がしたい。』って言い出したらしいよ。」
「やっぱり、レイ君は『神様の使徒』だ。」
「『神様の使徒』であってもなくても、私はレイが好きにゃ。ダメだって言われても、私はレイの旅について行くにゃ。ずっとずっとレイと一緒に居たいにゃ。」
「私もレイ君と一緒に居たい。」
「私も、レイ君と一緒に旅をするって約束しているよ。」
「でも、エリーはこの国の王女にゃ。国王陛下が許さないにゃ。」
「お父様も、私の気持ちを知っているから、私の自由にしなさいって言ってくれているわ。」
「じゃぁ、3人揃ってレイのお嫁さんになるにゃ!」とミクが右手を上げる。
「うん。賛成!」とエリーもリリーも右手を上げる。
その頃、レイは自宅の居間で、お母様とローザお姉様と3人でいる。レイは、居間で本を読みながら寛いでいた。
「ハ、ハ、ハックション。」
「レイ、風邪?」
「う~うん、違うよ。」
「風邪でしょ?寒いのね。お姉ちゃんが温めてあげるね。」
ローザお姉様は、僕を抱きしめてきた。顔が胸に埋もれて息ができない。
「う~、う~、う~。」
「ちょっと、ローザ、レイが苦しそうよ。」
「ごめん。レイ。」
「お姉様。もう僕は子どもじゃないんだから。それにお姉様だって、もう子どもじゃないんだから。」
ローザお姉様の大きな胸を見ながら言った。
「まぁ、レイはおませさんね。」とローザお姉様が嬉しそうに笑っていた。
そんな楽しい時間もあっという間に過ぎ、いよいよ中等部の初日を迎えるのであった。
ある日の午後、エリーとミクとリリーは、女子だけで食事会をすることになった。今回僕は、来てはダメということで仲間外れだ。現在、彼女たちは、王都にあるロラックス商会が経営するレストラン『フォラン』の個室にいる。ロラックスさんに頼んで、個室を用意してもらったようだ。エリーは、スパゲッティーを注文し、ミクはジャンボステーキ、リリーはサンドウイッチを注文した。
女子会が初めてのエリーは不安そうだ。
「ところでミク。3人でどんな話をするの?」
ミクは楽しそうにしている。
「女だけで集まれば、『恋バナ』に決まっているじゃん。」
いつもは控えめなリリーもノリノリだ。
「恋バナ、恋バナ。」
運ばれてきた料理を3人で、美味しく食べていると、急にミクが話し出す。
「私ね。レイのこと大好きなんだ。ひとめぼれってやつかな。マリーお姉ちゃんからレイのこと聞いていたけど、それ以上だったのよ。2人とも応援してね。」
突然のミクの告白に焦ったエリーは、思わず大声を出してしまった。
「え~!私もレイ君のことが好きなんだけど。」
「私も、私も。」とリリー。
3人は、お互いに顔を見詰め合った。そして、それぞれから、レイに対する熱い思いが語られた。
「私ね。5歳の時からレイ君のことが好きなの。お城でお披露目会があったんだけど、私は大勢の人がいる場所が苦手だったんだ。けど、レイ君が私を静かな場所に連れ出してくれたの。その時に、レイ君は世界中を旅したいとか言ったから、私も一緒に行きたいって言ったの。」
ミクはその話を聞いて、なぜか納得している。
「へ~。そうか、彼は、エリーにも旅をしたいって言ったんだ。」
「ミクにも、旅をしたいって言ったの?」
「うん。私が半分ふざけて、『将来レイ君のお嫁さんにしてね』って言ったら、『まだ将来のことはわからない。それに、僕は旅に出るかもしれない。』とか言っていたよ。」
そこで、リリーが的を得た質問をする。
「レイ君、公爵家の次男。旅に出ていいの?」
「本来なら無理ね。公爵家の次男なら、成人した際には、伯爵家を立ち上げるのが普通だから。でも、彼は、『僕は貴族にならなくてもいい。』って言っていたわよ。」
それを聞いてリリーはもじもじしている。
「ますます、大好き。レイ君。」
3人は食事を食べ終わり、デザートを注文した。エリーはプリンと紅茶、リリーはアイスクリームと果実ジュース、ミクはフルーツパフェと紅茶を注文した。
「私は魔族だから、自己紹介の時にクラスの皆に嫌われるかなって思っていたの。でも、レイ君が助けてくれた。あの時からレイ君は、私の憧れになった。でも、私は魔族だから、きっと相手にしてもらえない。」
「私だって、獣人族よ。でも、私はあきらめない。」
「レイ君って、種族とか気にしないんじゃないかな?それに、レイ君って不思議なのよ。」
リリーが気になって聞いた。
「何が不思議なの?」
エリーがローザから聞いた話を2人にした。
「ローザさんに聞いたんだけど、彼ね、もともと金髪だったんだって。」
「え~!」
ミクもリリーも目を大きき見開いて驚いた。
「レイ君が5歳の時、教会に行ったら、神様達の石像が光って、気付いたら今の銀髪になっていたらしいよ。」
「レイ君って『神様の使徒』なのかな?」
「レイが『神様の使徒』かどうかはわからないけど、神様に愛されているのは間違いないよね。だって、いろいろ規格外だもんね。」
「話にはまだ続きがあって、その教会の帰りに突然、公爵様に『僕は旅がしたい。』って言い出したらしいよ。」
「やっぱり、レイ君は『神様の使徒』だ。」
「『神様の使徒』であってもなくても、私はレイが好き。ダメだって言われても、私はレイの旅について行らくよ。ずっとずっとレイと一緒に居たいもん。」
「私もレイ君と一緒に居たい。」
「私も、レイ君と一緒に旅をするって約束しているよ。」
「でも、エリーはこの国の王女でしょ?国王陛下が許さないんじゃないの?」
「お父様も、私の気持ちを知っているから、私の自由にしなさいって言ってくれているわ。」
「じゃぁ、3人揃ってレイのお嫁さんになろう!」とミクが右手を上げる。
「うん。賛成!」とエリーもリリーも右手を上げる。
その頃、レイは自宅の居間で、お母様とローザお姉様と3人でいる。レイは、居間で本を読みながら寛いでいた。
「ハ、ハ、ハックション。」
「レイ君、風邪?」
「う~うん、違うよ。」
「風邪でしょ?寒いのね。お姉ちゃんが温めてあげるね。」
ローザお姉様は、僕を抱きしめてきた。顔が胸に埋もれて息ができない。
「う~、う~、う~。」
「ちょっと、ローザ、レイが苦しそうよ。」
「ごめん。レイ君。」
「お姉様。もう僕は子どもじゃないんだから。それにお姉様だって、もう子どもじゃないんだから。」
ローザお姉様の大きな胸を見ながら言った。
「まぁ、レイ君はおませさんね。」とローザお姉様が嬉しそうに笑っていた。
そんな楽しい時間もあっという間に過ぎ、いよいよ中等部の初日を迎えるのであった。
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