第12話 自己紹介
教室に先生がやってきた。
「今日から君たちの担任になるシュバルツだ。よろしくな。さっそくだが、出席番号順に自己紹介をしてもらおうか。最初はおまえからだ。レイチェル。」
「はい。僕はレイチェル=リストンです。公爵家の次男ですが、家族ともども自分たちのことを貴族だとは思っていません。みんなと一緒に成長したいです。あと僕のことはレイと呼んでください。よろしくお願いします。」
「次はエリーヌ」
「はい。私はエリーヌ=フォン=ステイルです。ステイル王国の第3王女です。レイ様と同様に、身分を関係なくして皆さんと仲良くしたいです。私のこともエリーと呼んでください。よろしくお願いします。」
「次はリリーゼ」
「はい。私はリリーゼ=マジョリーヌです。西大陸にあったマジョリーヌ王国の元第1王女です。私の国は、ここ最近の戦争でなくなってしまいました。私は、見てのとおり魔族です。この学校で皆さんと勉強したいです。嫌わないでください。」
リリーゼは声を詰まらせ、最後は消えるような小声で一生懸命だった。
それを見て、僕は立ち上がって
「種族なんて関係ないさ。このクラスのみんなも、この学校のみんなも、この国のみんなも、みんなみんな君の味方さ。他の人達が違うって言っても、僕は味方だから。」
すると隣の席のエリーも立ち上がって
「私もリリーゼさんの味方よ。」
すると次々と生徒が立ち上がって、皆がリリーゼを励ました。
「皆、ありがとう。」
「次、カイト」
「はい。僕は、・・・・・・」
そして、最後になった。
「最後にミク」
「はい。私はミクです。猫獣人です。姉も両親も言わないのに、私だけは語尾に『にゃ』をつけてしまいます。」
クラス全体が大爆笑となった。いつも明るいミクは、このクラスのムードメーカーになりつつある。
自己紹介が終わった後、ガイダンスが行われ、1年間のスケジュールが発表された。中等部になると校内武闘大会や東の森の合宿やダンジョン演習などがあるらしい。初等部は特になにもない。なんか暇になりそうだ。
学校の正門に向って、僕はエリーとミクとリリーゼと一緒に歩いている。すると、リリーゼが赤い顔をして急に話し出す。
「レイ君、今日はありがとう。最初は怖かったけど、おかげでクラスのみんなと仲良くなれた。」
「僕のおかげじゃないよ。はじめから、クラスの皆は、リリーを受け入れるつもりだったと思うよ。」
いつの間にかレイはリリーと呼んでいる。リリーと呼ばれて、彼女は赤くなってしまった。
「まったく、レイ様は自覚なさすぎるわね。ライバルが多いほど私も燃えるからいいけどね。では、私は迎えがきていますので、ここで失礼しますね。」
エリーが突然わけのわからないこと言って帰って行った。
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