第164話 新しい魔法の確認

 さて、お次は身分証の確認です。

 深呼吸して、改めて戸締まりと妨害魔法をチェック、うん、オールグリーン。


 それっ!

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 名前 タクト/文字魔法師カリグラファー

 家名 スズヤ

 年齢 25 男

 在籍 シュリィイーレ 移動制限無

 養父 ガイハック/鍛冶師  

 養母 ミアレッラ/店主

 魔力 332936


 【魔法師 一等位】

 神聖魔法:極光彩虹・完成


 蒐集魔法・極冠 文字魔法・極冠

 付与魔法・極冠 集約魔法・極冠


 加工魔法・極位 複合魔法・極位

 守護魔法・極位 耐性魔法・極位

 制御魔法・極位 強化魔法・極位


 金融魔法・最特 治癒魔法・最特 

 次元魔法・最特 音響魔法・最特


 変成魔法・特位 混成魔法・特位 

 彩色魔法・特位 精神魔法・特位


 植物魔法・第一位 解呪魔法・第一位

 予知魔法・第一位 感応魔法・第一位 

 言語魔法・第一位


 重力魔法・第二位 

 

 【適性技能】 

 〈極冠〉

 鍛冶技能 金属鑑定 金属操作 

 貴石鑑定 鉱物操作

 〈極位〉

 石工技能 錬金技能 成長操作

 空間操作

 〈最特〉

 木工技能 魔眼鑑定 方陣操作

 〈特位〉

 植物鑑定 植物操作 精神操作

 大気調整 大気鑑定 

 〈第一位〉

 身体鑑定 陶工技能 感覚操作

 土類鑑定 土類操作 予見技能

 液体調整 液体鑑定 神詞操作

 〈第三位〉

 創陣技能

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 そっかー、神聖魔法『完成』かぁー、すごぉい!

 ははははは……

 乾いた笑いしか出てこねぇなぁ。

 それにしても『冠』の上があったとは。

 流石に『完成』が最後だよな。


【雷光魔法】が消えている……これは、神聖魔法に取り込まれたと見るべきだろうか。

 ということは、あの極大方陣はアールサイトス神の方陣だったわけだ。

 ホントにもうっ!

 ドードエラスの言ってたこと、何ひとつ合ってないじゃん!


 そして『神詞判定』が『神詞操作』に変わったな……『創陣技能』ってなんだよ?

 あれか、切り取ってくっつけたりしたからか?

 いや、これは『方陣操作』……とすると、極大方陣に文字を書いたりしたことか?

 さっき、簡略化で作った文字だけの方陣か?

 まぁ……割と有用そうだから、研究対象だな。


 ん?

 こんな【言語魔法】なんて魔法、あったか?

 また、どんなものか解らない魔法……増えた……


 そして何よりおかしいのは、魔力量だ。

 なんでこんなに?

 180000だって増えすぎだっつーのに、332936ってなんの冗談?


 しかし、どう考えてもこれも極大方陣解放ボーナスとしか思えない。

 めっちゃくちゃ魔力使ったもんな。

 えーと、極大方陣解放前が、だいたい83000くらいだったよなぁ……

 てことは、ほぼ四倍になっているということか。


 方陣ひとつに付き、八割のフィードバックがあったってことですかい?

 いや、きっとひとつの方陣解放に必要だったのが俺の魔力量の八割で、神聖属性の魔法や技能と一緒にその分が総量に上乗せされた……のかな?

 ……つまり、この【神聖魔法:極光虹彩】を完全状態で使うには、現在の魔力総量の八割が必要……という解釈もできる。

 一発発動したら、ぶっ倒れる魔法ってことだ。


 あれ?

 そういえば前に魔力量が半分以下になると、消費量が上がって危険……って言われたよな?

 俺、半分くらいなら余裕で使っていた気がするけど……なんで、大丈夫だったんだろう?

 俺が倒れた時って、残り一割を切ったくらいじゃなかったか?


 レーデルスから初めての転移で戻った時は二万くらいから二百になって倒れたんだ。

 蓄音器発売の春祭りでは、八百を切っているって言われた。

 あの時は、だいたい八万くらいの総量があったはずだ。

 もしかして俺って、魔力消費による不調に対する耐性があるのか?


 えーと、一番初めに魔力不足で倒れたのって……こっちの世界に来てから、すぐだよな?

 一晩中【文字魔法】を検証してて、ふらふらになって……あれ?

 あの時『魔力切れ症状の軽減』……なんてものを書いていなかったか?


 俺は慌てて、コレクション内の指示書を全部引っ張り出して探してみた。

 あった!

 うわ……文字はかなり薄くなっているけど、まだ生きてるよこの魔法……


 これのせいで半分切っても具合が悪くならなくて、限界が来ていきなりぶっ倒れる……っていう状態になっちゃっていたのかぁ。

 もしかして……これ『成長操作』……なのでは?

 魔法を限界まで使って、魔力を伸ばし続けてしまったことで『成長操作』が『極位』まで来ちゃった……と。

 リミッターが外れていたせいでガンガン使って、使用量と成長率が爆上がりしてしまっていたということですかい?


 てか、俺の魔力量で、半分以上を使うってどういう日常なの?

 明らかに普通の人と違うよね?

 というか、普通は魔法ってのは『ここで使おう!』って決めないと、使えないものなのかな?

 俺……多分、軽く思っただけで、発動している気がする……

 これからはきちんと、意識して魔法を使うように注意していこう……今更だが。


 でも、半分使ったら具合悪くなるっていうのは……ちょっと嫌なので、指示を変えておこう。

『魔力量が総量の六割を切ったら、魔効素を魔力として吸収し九割まで戻す』

 そして、神聖属性に関しての隠蔽工作もして……と。


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 名前 タクト/文字魔法師カリグラファー

 年齢 25 男

 在籍 シュリィイーレ 移動制限無

 養父 ガイハック/鍛冶師  

 養母 ミアレッラ/店主

 魔力 33239


 【魔法師 一等位】

 神聖魔法:光・特位

 文字魔法・特位 付与魔法・特位

 加工魔法・特位 耐性魔法・特位

 強化魔法・特位 音響魔法・特位


 【適性技能】 

 〈特位〉

 鍛冶技能 金属鑑定 金属錬成

 鉱石鑑定 鉱物錬成 石工技能

 魔眼鑑定

 〈第一位〉

 陶工技能 土類鑑定 土類錬成

 神詞操作

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 うん、これでいいや。

 魔力量は一割表示でもスゲー多いけど、これも原典効果ってことにしておいていただこう!


 ……ところで【神聖魔法:極光彩虹】ってどういう魔法なんだろう?

 神典では見なかったから、神話の方かな?

 早いとこ、神話も全部訳しておこうっと。


 反省していないような反省会を終え、身分証を戻してから窓を開いて深呼吸する。

 夏の勢いをなくした陽の光は、季節が移っていくことを告げていた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る