第2話

   

 翌日の夕方。

 少し時間があったので、一人でアンティークショップへ行ってみる。

 デートの時の態度から、桃子がビスクドールに興味津々なのは僕にも理解できていた。もちろん、大学生が衝動的に買うには高すぎるから、昨日は本当にウィンドウショッピングだけで済ませたが……。

 来月には、桃子の誕生日がある。その際のプレゼントにはいいかもしれない、と考えたのだ。

 今から慌てて買っておく必要はないにしても、プレゼント候補として、一人で下見だけしておこう。そう思ったのだが、残念ながら、店は閉まっていた。

「定休日かな?」

 客の少なそうな平日は休んでいるのだろうか。

 また適当な日に出直せばいい、と僕は軽く考えていた。

   

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