コンテンツ3―メカニック探し

 駐機場を飛び立ってしばらくすると、ドックと住まいの建物が軒を並べる造りの場所を見つけた。


 地図に照らしても間違いない。ここの様だ。


建物脇に、フローターが駐機出来るスペースに勝手に着陸。

2人が出て来ると、建物のドアモニターをタッチした。


Annがモニターに応答した。

「どちら様でしょうか?」


ガルシアが慌てて応じた。

「あ、私はガルシア=オフェイル。ビブレスのドレイン社長からこちらの優秀なメカニックさんの工房ではAnnをカスタマイズしてくれると聞いて、勝手ながらフローターを駐機させて頂きました。メカニックの方に繋いでください。」


「せっかくですが、依頼は受付けておりません。お引き取りください。」


「あ、ちょちょ。ちょっと待って。私はルイス=タイラー。Annのカスタマイズと宇宙船ふねの建造以来の為に来ました。お願いです。面会を……。」


「お引き取りください。」


「ルイス。ダメよ。何を言っても無駄。モニター対応をAnnに仕込んである。一旦帰りましょう。」


2人は一旦ガルシアのドックに戻って来た。

AnnとAIユニットを運び込む2人。


「相変わらず重いわ。もーガルシアもカート持ってれば良かったのにぃ。」

「わがまま言わない。自分のAnnなんだから、しっかり運びなさい。」


「ほ〜い。……私達のAnnは物は運んでくれるのかしら?」


「アームの構造によるわよ。ルイスがAnnをどうカスタマイズしたいのかを煮詰める必要があるわ。私はミクラットのサポートと、分析系を手伝ってもらいたいと考えてるわよ。」


「うーん……。私は、私の様に宇宙船ふねの操縦から教えたいものね。」


梱包されたAnnを荷解にほどきしようとするルイス。


「ちょっとルイス。荷解きの前に、Annに対しての方向性を決めておいた方が良いわ。大切なAnnに育てるんでしょ?」


「私は以前からAnnはミクラットのサポートと分析、天体観測をメモリーさせようと考えてたから、それを実行するだけ。それには資料がメイン。母の図書室の書籍を覚えてもらえば済む。それに比べてルイスは宇宙船ふねの操縦……。時間掛かりそうよ。」


「はぁ。Annを従えるのも楽じゃないって事ね。先ずは私のサポートから覚えてもらうとして、操縦はどう教えよう……。」


「それはルイスが一緒に連れて歩く事ね。私達の行動をどこまで理解して分析して動いてくれるか……。これはあるじ次第なんだと思うわ。」


「ビブレスの噂のメカニックさんはどうする?」


「先ずはそっちが先かしら。Annのカスタマイズはゼロの状態で加工してもらうのがメカニックにしても楽だから。」


「へー、そんなもんなのね。……じゃあ、またビブレスに訪ねに向かわなきゃ。」


「ルイス。私が思うに、かなりの堅物かたぶつだと思うわ。一筋縄では引き受けてくれそうにないと思う。他にメカニックを当たってみる。その間に、あなたは理想のAnnの姿を考えてみて。」

 

「理想のAnnって言われても……。やっぱり操縦の助手から覚えてもらいたい。日常行動は一緒に居ればどうにでもなるもの。」

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