第5話 赤面

ランニングを終えて部屋に戻り、軽くシャワーを交互に浴びる。


まだ5:45だ。出勤時刻までまだ余裕がある。いつものことだが。


いつもと違うのはひとりではなく二人だということ。


この日に備えてずっと心の準備をしてきたのだが、いざ実際に二人で朝を迎えるというのは想定を超えていた。


朝食はいつものとおり白米に納豆、味噌汁に野沢菜と卵。準備に5分もかからない。ただいつもとちがうのは二人分ということだがまったく手間ではない。


陽一の好みは自分と一緒だから(いまのところ)これまた問題ない。


共同生活に備えて購入しておいた小さなダイニングセット。向き合って食べることになる。


陽一と真正面から向き合って時間を過ごすのはこれが初めて。なんだか照れてしまう。


そんな自分の気持ちを察したのか、陽一からこんどは話しかけてきた。


「きょうのペースはキロ5分切ってたからジョグにしては速いね。明日はキロ10秒落とさない?距離は13kmにしよう」


「確かに。じゃスロージョグで入って1kmずつ10秒上げるビルドアップ走にしよう」

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